漫画皇国

Yes!!漫画皇国!!!

人から漫画を描き始めたと教えてもらって嬉しい関連

 この前のコミティアに来てくれた人たちの中で、何人かの人が、僕の様子や言っていることを見て「自分も漫画を描き始めてコミティアに初参加しました」と伝えてくれたということがあり、とても嬉しかったです。作った本も頂きました。

 これまでも色々書いてきましたが、僕は人が何か新しいことに踏み出すことをよしと考えていて、逆に、何かをやりたいと思っても、何らかの理由で自分のような人間にはそれをやってはいけないんじゃないかと思って踏み出せなかったりすると、悲しいことだなと思います。

 

 始める何かは別に漫画じゃなくてもいいです。自分にとって何か意味のあることを新しく始められたらいいと思っていて、歳をとってくるとそういうことが余計に難しくなってきたりするので、そういうことが気軽にできるといいなと思っています。それぞれの人が何かを始められるといいと思います。

 それは、それによって日々が楽しくなってくるだろうと思うからです。昨日の自分よりも今日の自分が、少しでも何か新しいことができるようになって、そのうち段々と色んなことができるようになると、毎日に楽しいことが増えるじゃないですか。

 

 僕自身のも四十歳を過ぎ、周囲から中年がしんどくなってくる話もよく聞くんですけど、その理由の一つは、中年になると色んなことを知ってしまうので、目の前にあるものが知っているものばかりにできて退屈になるというのがあるんじゃないかと思います。たとえば、新しい漫画を読んでも、昔読んだ別の漫画との類似点を見出して、それで昔読んだのと同じだと思ってしまったら、読んでも面白くなくなってしまうかもしれません。新鮮さがないからです。

 

 生活の中で知っていることが増えていき、慣れて、効率化はして、悩むことは減ったとしても、おかげで退屈になってしまうということがあるんじゃないでしょうか?だから毎日に変化が少なく無為に思えてしまったりするんじゃないかと思っていて、だからこそ新しいことを始めると退屈しないでいいと思うんですけど、踏み出す最初の一歩には大きな労力がかかるので、なかなか踏み出せないものだなと思います。

 

 さらに、周りの目だってあるじゃないですか。子供が何かが下手くそでもまだいいかもしれませんが、大人が下手くそだと笑われるかもしれません。大人は慣れた分野で笑われにくくなるので、また昔のような拙い笑われる存在になったりしたくないと思ったりします。恥ずかしいからです。なので、笑われたくなければ最初から新しいことなんてやらなきゃいいんですけど、でも、やらないと何かができるようにはそもそもならないですし、それで人生に退屈しちゃうんだと思うんですよね。

 

 だから僕はそういうのを笑いませんよという態度と、自分だって拙いのを晒してやっているんですよという様子を見せることで、他の人も最初のハードルが下がってくると信じて醜態を晒しています。だってみんなもそうなった方が雰囲気から閉塞感がなくなって、楽しいじゃないですか。

 

 そういえば、先日、丁寧なお手紙を貰いました。その人は会社を辞めて漫画家を目指し始めた人だったんですけど、でも、なかなか上手く行かなくて弱っていたときに、もっと歳が行ってから漫画を描き始めた僕の話を目にして、なんだってやれるんだと思って、この前、ついに雑誌に掲載されたそうです。

 その雑誌とともに掲載しを僕が描いてる出版社に送ってもらって、打合せに行ったときに編集さんから渡されて、一緒に「なんて良い話なんだ」と感激しました。漫画も読みましたが面白かったです。

 

 自分が拙いことで醜態をさらしつつも頑張って何かをやっていることで、まだまだ可能性もあるし頑張れると思ってくれる人がいると実感できて、マジで良かったですね。そういう流れを支える中に自分がいると感じられることで満たされるものがあります。

 

 とにかく自分が良いと思ってやっていることの目に見える影響を直接教えて貰うことが何件もあって、本当に良かったです。続けていこうと思います。