漫画皇国

Yes!!漫画皇国!!!

札幌までサイン会に参加しに行ってきた関連

 先週末、札幌旅行をしてきました。三宅乱丈先生のサイン会に参加するためです。

 

 サイン会は日曜にあったんですけど、せっかく遠くまで行くのだからと、土曜日から行って、月曜日に会社の休みをとって、二泊三日にしました。

 札幌は、いい街です。本屋が大きいから。ジュンク堂はいい本屋でした。僕の単行本が全部あったからです。

 

 僕はまだ十代の頃に読んだ「ぶっせん」から、三宅乱丈先生のファンで、単行本はだいたい持っているのですが、中でも特に好きなのが「pet」でした。

 「pet」は割と短く完結した漫画なんですけど、当時大学生だった僕は、あんなに面白い漫画はもっと読みたかったと嘆いていて、でも、その後の三宅乱丈先生の作品もずっと面白かったので、それはそれでよかったです。

 

 何年か前に「pet」がアニメ化され、それも良かったのですが、最終回のあとに続編の「fish」が描かれることが発表されたのを見て、狂喜乱舞してしまい、ビームコミックスとしてリマスターエディションが出たときに、実は3部作の構想で、「pet」はその第2部にあたると描かれていて、でも読むのを諦めていた第3部があるんだ!と思って、読めるんだ!と思って嬉しすぎておかしくなってしまいました。

 

 その後、コミックビームの編集さんにウチで漫画を描いてみませんかと声をかけてもらったときに、三宅乱丈先生の漫画が自分はとても好きで…と話し、同じ雑誌に載ってやりたいという欲望をおさえきれずに漫画家になった、みたいなところもあります。

 

 そして、その「fish」が来月完結し、三宅乱丈先生のサイン会があるということで、速攻でチケットをとってしまいました。

 たしか10年ぐらい前にもサイン会があって、そのときはさすがにサイン会のために札幌までは行けない…と断念したのですが、今の自分にはお金も行動力もある!行ける!行かねば!という気持ちも背後にありました。人には後悔がありますが、それを乗り越えるチャンスもあることが多いです。

 

 ちなみに三宅乱丈先生は僕が連載していた「ゴクシンカ」を読んでくれていて、僕がサイン会に行くということも編集さんに話したら伝わっていたので、コミックビームで連載をしていて得をしたなと思いました。

 同業者がサイン会のためだけにわざわざ札幌まで来てくれることなんてないよと言って歓待して頂き、自分はキモいファンだからな…と思ってたため、めっちゃよかったです。

 

 サイン会は、色紙の他に単行本にもサインをしてくれるということで、家にあった本を何冊か持っていったのですが、まずは色紙に絵を描いて貰えるので、桂木(petの登場人物で一番好きな男)をリクエストして、嫌われ者のときの桂木って言ったら、昔の単行本を確認して描こうとなったのですが、そんなこともあろうかと僕は袋から「pet」の最初の単行本を取り出し、昔からのずっとファンであることをアピール、三宅乱丈先生にもよく持ってるねって言われて、でへへとなってキモいファンであること全開で、単行本の方には若い頃のカッコいい桂木を描いて貰いました。

 

 20年前にまだ大阪に住んでたとき、近所の本屋でこの単行本を買った頃のピエテヅ!おまえは20年後にその本に桂木の絵を描いてもらえるぞ!しかも、続編も描かれていて、おまえは漫画家になっていて、同じ雑誌で連載もしているし、それを読んでもらっている!と伝えたら、そんなことあるわけないだろ!と怒るんじゃないかと思いますが、あったんです!あってよかった!嬉しすぎる!!

 

 夜には三宅乱丈先生と編集さんたちの打ち上げにも混ぜてもらって、色々お話させてもらったり、他に持ってきた漫画見せたり、単行本化されてない連載の話とかをして、ファンアピールをしたりしました。

 あと、三宅乱丈先生が持ってきてくれた「ゴクシンカ」の単行本にサインをし返したり、念のため持ってきた「ひとでなしのエチカ」の単行本もお渡しして、こっちにもサインしてよって頼まれたので、ウキウキしながら描いてしまいました。

 

 こんなにいいことがあっていいのか??わだすの人生に!という時間を過ごさせてもらい、もうほんとずっと嬉しかったです。

 僕は漫画家もやってるだけの漫画オタクなので、一介のオタクが、そんな抜け駆けのようなことをしていいのか?他のファンに怒られるのではないのか?と思ったりもしますが、それはそれとして、漫画家になってよかったなと思います。得をしているから。

 

 漫画家になってから、色んな昔から好きな漫画家さんに自分の漫画を読んでもらったり、面白いと言って貰ったりしているのですが、自分が子供の頃から好きな人に、自分が描いたものを面白いと言って貰えるの、嬉しさのボルテージがほんとすごいですよ。

 皆さんも漫画を描き、それを好きな漫画家さんに褒めて貰うのはオススメです。嬉しすぎるから。

 

 三月末締めの会社で働いているので、今はすごく忙しい時期なのですが、なんとか時間を作って行ってよかったです。ほんとよかった。