漫画皇国

Yes!!漫画皇国!!!

自分が物心ついた頃には既に終わっていたものを好きになれる時代関連

 十何年か前、X JAPANの再結成したときに、十歳年下の妹の友達がライブに行くと張り切っている話を聞いて、X JAPANが解散時には君らまだ幼稚園児ぐらいだったでしょ?と聞いたら、そうだけどCDはあるから聞けるし、親がファンだからビデオもあって見れるし、聞いて好きになったけど、既に解散して諦めていたんだけど、でも再結成したからライブに行けるんだよ!!とめちゃくちゃ興奮していて、他人事ながら、それはよかったなあと思いました。

 

 「桃色メロイック」という漫画に出てきた男の子は、エルレガーデンのファンなんですけど、姉の影響で聞き始めて、でも聞き始めたときには既に解散していて、エルレガーデンを知っている人を見つけては大興奮して、自分がいかに好きかを話し始めてしまうんですけど、この前、エルレガーデンの再結成の話もあり、「桃色メロイック」の連載もとっくに終わっていましたが、勝手によかったなあ、きっと彼はライブに行くことができたのだろうと思いました。

 

 人間の歴史は長いです。自分が生きている期間はその中のちょっとで、その中で自分がどの年齢の問題もあるし、自分が好きなものと同じ時代に良い感じに生きられることって結構なまれな話だと思うんですよね。この前、僕が将太の寿司Tシャツを買いに走った話でも、今更再供給があるだなんてと思った興奮がありましたし、いやでも、最近は子供の頃に好きだったものが、大人の財力を目当てにか色々復刻することも多くて、ついに色々追いついてきたなと思ったりします。

 

 そして、その復刻を契機に、今の子供がそれを好きになってくれたりしないかなあとちょっと思っちゃったりもするんですよね。

 

 それはめちゃくちゃ個人的な話で、自分が好きなものの話はめちゃくちゃしたいけれど、それを好きじゃない人相手にしてしまうと迷惑なんじゃないかなと思ってしまいますし、相手も好きであってくれるといいじゃないですか。だから、自分が好きなものは、世代を超えて多くの人に愛されていて欲しいというめちゃくちゃ個人的な欲があるわけなんですよ。

 

 僕の場合の自分より上の世代の漫画で好きなやつで言うと「カムイ伝」なんかがそれに当たるんですけど、もうとっくに終わっている連載の最終巻(第一部の)を読んだとき、めちゃくちゃ衝撃を受けてしまいました。当時は、雑誌の読者投稿なんかで色んな話がされていたというぼんやりという話はネットでも見つかるんですけど、なにせ昔のことなので、インターネットに直接情報が残っているはずもなく、実写映画の「カムイ外伝」の松山ケンイチの顔写真ばかりが検索結果として出てきます。

 ああ、いいな、リアルタイムで読んでいた人たちは、同じ時間を共有して読んだ漫画についてあれこれ言うことができる時間があったんだな。今の時間軸の僕にはそれがないんだな。ひとりで、ひとりで色々思うしかないんだなと思ったんですよね。

 

 好きなものと自分の人生の時間軸がずれてしまったという悲しみがあります。それとは別に、他の大好きな漫画とともに育ってこれた嬉しさみたいなのもあります。あらゆる方面で完璧な環境を得るには不老不死にでもなるしかないので、その辺は全てを得ることはできないんだなと思ったりします。

 とにかく今、今現在進行形な好きなものと同じ時間軸にいられるということを嬉しく思っていくしかありません。

 

 そういえば、この前知り合った人が、年下っぽかったんですけど、好きなものとして挙げる漫画やアニメが僕が子供の頃から大好きなものが多くて、めちゃくちゃ嬉しくて書いていることを読んでたりしたんですけど、年齢を教えて貰ったら、思っていた以上に年下で驚いてしまいました。

 僕も年上の人に、その年でその昔の漫画読んでるの?世代じゃないでしょ?って驚かれることも多かったので、文庫化ブームとかあったし古本屋とかでも読めるので、世代関係ないですよって答えてたものの、自分が逆の立場になったらやっぱり驚いてしまうことがあって、でも、なんか、昔の良いものに若い人が触れて、素直に好きになっている様子はめちゃくちゃいいなと思ってしまいます。

 別の若者と話してたときにも、好きな漫画家が華倫変と聞いて、なんで?世代じゃないでしょ!?って言ってしまったことが最近あったんですけど、だって本屋ではもう売ってないし…電子化もされてないし…と思っていましたが、でも、最近の若い漫画を描いている人にはファンが多いんですよと聞いて、そうなのかあと思いました。

 

 そして!そのタイミングではまだ電子化されていなかった華倫変の漫画が、ちょっと前から電子化されています!!読んでいる人は買いなおし、読んでない人は買って読むことができます。

 

 電子書籍とかネットの配信とかが、今までなら触れることがなかなかできなくなっていた昔の漫画やアニメなんかとの距離を、時代を超えて一歩先に縮めてくれるの、すごい便利時代到来だなあと思っています。バンドの再結成が、解散後のファンを取り込んでいくように、漫画やアニメも、ずっと昔に完結したものが、今のファンを取り込んで動きになってくれるといいなと思います。

 何がいいかというと、僕が好きなものが好きな人が増えてくれると、色々新しい何かが出ることに繋がったりするので。

 

 いやほんと、今は良い時代ですよ。僕の人生がこの時代に重なってくれるタイミングでよかったです。まあ、別の時代に生まれていたら、それはそれで良かったとか言っているかもしれません。

 今に満足することが得意なので。