漫画皇国

Yes!!漫画皇国!!!

インターネットでの距離の詰め方とその是非関連

 ダ・ヴィンチ・恐山さんを僕が毎週参加しているWebラジオ「人生思考囲い」のゲストのお呼びしました。僕はもともと恐山さんとARuFaさんがやっている匿名ラジオのリスナーで、好きだったので、とても良かった話ですが、少し前まで何一つ面識があったわけではなく、Twitter上でリプライを交わしたことすらありませんでした。

 

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 きっかけのひとつは僕が自分の漫画「ゴクシンカ」を、この人ならこの漫画のことを分かってくれるはずという一方的な思い込みから恐山さんに送り付けたことで、それに恐山さんが反応してくれたということにより、やりとりが可能!という認識になったので、とても嬉しい出来事でした。

 その後、少ししてプリティーシリーズのライブを幕張に見に行ったあとに、同じライブを見に来ていたあらばきさんとニャロメロンさんと晩ご飯を食べていて、「恐山さんにいつかじんしこ(人生思考囲いの略称)に出て貰ったりできないですかね?」と雑談をしていたら、それをニャロメロンさんがその場でつぶやき、そしてそのツイートにすぐに恐山さんが反応してくれたので(恐山さんとニャロメロンさんはオモコロ関連でつながりがある)、やりましょうという話に一気になりました。

 

 お話できて楽しかったですし、またやりましょうという話になって良かったですが、距離の詰め方が異常だなとも思います。視線も合わせておらず、間にそこそこ距離があったように思えたのに、いきなりダッシュで詰め寄った感じになったからです。

 

 こういうのは今回はたまたま上手くいきましたが、危険な動きだなとも思います。だって人と人との距離感ってすごく大事なので、急に詰めたら前蹴りされて距離をとられることだってあると思うからです。そこで蹴られるのも悪い話ではなくて、人と人の間には適切な距離があり、互いに適切だと思える距離にあるのが平和です。その適切な距離をじりじり探るのが人間関係だなと僕は思っていて、いつも探っています。

 一方で、どこかでグイっと近づかないと、いつまで経っても近くはならないということもあり、僕も最後の一歩は勇気を出して、向こうに嫌われるかもという覚悟を持ちながら、それをやったりしています。

 

 この前も書きましたが、僕が人生思考囲いに参加することになったきっかけのひとつも、コミティアであらばきさんと中野でいちさんのスペースに、自分の本を持って行き、押し付けて挨拶したということです。それまでも名乗らずに本を買ったりしていましたが、あるとき意を決して名乗りました。

 他には漫画家のいそふらぼん肘樹さんと友達になったきっかけも、Twitterを見たら、半径数十メートル以内にいることが分かったため、道端でいきなり声をかけたという出来事があり、完全に不審なネットストーキング野郎なので、それによって嫌われても仕方がないような状況だったと思います。

 また、寺沢大介先生との繋がりも、エゴサしたら、僕の漫画を読んでくれたと言っていたので、意を決して話しかけ、本を買って貰ったり、イベントに一緒に登壇したり、ご飯を食べる会に呼んで貰えたりと嬉しいことになりました。

 

 意を決してグイっと距離を詰めるということは、このようにこれまでもやっていて、それによって仲良くなれたという嬉しいこともありますし、ただ上手くいったからいいけれど、それによって好きな相手に嫌われる可能性も高めてしまう危険なことをしているという認識もあります。

 ただし、全くの無から距離を詰めるということはしていなくて、恐山さんについても、送った本に反応してくれたからとか、つぶやきに反応してくれたからという、双方向のやり取りの中で、近づいても大丈夫かなと段階的に判断したりしています。

 そのあたりは、他にも、例えばTwitterで相互フォローになったとか、ツイートをお気に入りにしてくれるかとか、漫画に好意的な反応をしてくれたかとか、いくつかの、向こうに嫌悪感は抱かれていなさそうだな…という確認ポイントがあり、もしそこに悪いものを見つけていたら、グイっと距離を詰めることなどはなく、途中でこっそりと引き返していると思います。

 

 そういう意味で言うと、インターネットで人間関係を作る上で重要なことのひとつは、「好意を示す」ということなのかもしれません。相手から何かしらの好意を示して貰えていれば、僕から話しかけるときの怯えが減りますし、逆に自分が相手に明確に好意を示しおけば、向こうから話しかけてもらうときのハードルを下げられるかなとも思ったりします。

 

 僕は、好きな相手については、「その人がそのままでいること」を見ることがまず嬉しいので、特に個別に人間関係を構築する必要もないのですが、仲良くなれたなら、それはそれでまた嬉しいことなので、実際今ある人間関係については良かったなあと思います。

 

 他人に対する警戒心って、持ってしまうものではないかと思いますし、それがある限りは距離感は遠いままだと思います。僕自身があまり心の根っこの部分を見せようとしない(その理由は無防備にそれを出すことが怖いからです)ため、普通にしていると、誰とも距離が近くならなかったりします。なので、その辺は意識的に内面を出すことで、社会の中で居場所を作っていけるのではないかと思っています。

 

 そういう感じにおっかなびっくり他人との距離を詰めたりしていますが、自分は黙っていても人が寄ってきてくれるようなタイプの人間ではないため、そういうことをしなければ生存できず、そして、ときにはそれによって痛い目にも遭うのだろうなと思っています。