漫画皇国

Yes!!漫画皇国!!!

単行本の宣伝ができて嬉しい関連

 何回も書いていますが、今月は僕の漫画の初の単行本が発売になりました。漫画を描くのは地道にコツコツ一人でやっている作業なので、あんまり刺激がなく淡々としていますが、告知や宣伝や誰かにその漫画の存在を伝える行為で、他の人が沢山関わってきます。なので、刺激的で面白いなと感じています。

 

 漫画の宣伝は出版社の仕事で、作者にそれを求めるなっていう話は分かります。それはそれとして、僕は自分の描いたものが誰にどのように伝わっているかにはとても興味があるので、告知や宣伝をするのは好きです。出版社の人にも、「ピエテヅさんは宣伝を全然嫌がらずにやりますね」と言われたことがあるので、じゃあ嫌がる人もいるんだろうなということが推察できます。

 

 宣伝が好きなのは、僕は漫画を描くということを読んでくれる人とのある種のコミュニケーションとしてやっている認識だからです。なので、自分の発したものが、どこに届き、どのように受け取られているかを含めて描くことだなと感じています。自分の発したものがどのように受け取られているかが分かれば、次の言い方にも反映できますし、そもそも読者の反応を想定しないというのは、暗がりの中で一人で誰かに話しかけているようで、なんか怖くないですか?

 僕の描いた絵を見て、書いた言葉を読んでいる人が、それに反応している様子が見えるということは、発する上でも重要なことだと思います。

 

 僕は少なくとも今の自分に出来る最大限の面白さを詰め込んだ漫画を描いている認識です。僕の漫画が面白いのはもう確定事項なんですよね。ただしそれは僕の中に限ってのことです(あとは編集さんもかな)。

 何を面白いと感じるかは人それぞれです。よく書いていますが、読書体験は作品と読者の共同作業なので、作者にはコントロールが不可能な領域が大きいです。僕が面白いと思って描いていても、他の人が面白いと思ってくれるかは分かりません。

 だとしたらそこには確率的な部分があって、一人でも多く面白いと思ってくれそうなことを描くことは前提で、その先で、一人でも多くの人に知ってもらうということが大切なんだろうなと思います。

 

 僕の漫画は、僕のような人には面白い内容だと思いますが、世の中にどれぐらい僕のような人がいるのか?という疑問と、どこかにいるそのような人まで実際僕の漫画を届けられるか?という部分への不安があります。僕の漫画がぴったりの人が世の中のどこかにいたとして、その人に僕の漫画の存在が知られないままに終わることの方がきっと多いと思います。

 宣伝は、そうならない可能性を少しでも上げられる行為だなと思っていて、だから宣伝によって知ってほしいし、仮に僕の漫画を面白いと思わない人にも拡散して欲しくて、だってそうすれば、その先にいる面白いと思ってくれる人まで届くかもしれないじゃないですか。

 

 僕は漫画を読むのが大好きなので思うのですが、これは自分のために作られた漫画だ!!と思う漫画が、さほどヒットせずに終わっていく様子を見てきた経験がたくさんあります。それは世間的に面白くなかったとは限らず、知られる前に終わってしまったということも多いんじゃないかと思っています。

 実際、完結後に電子で人気が出てくる事例も結構知っていますし、それによって続きが描かれる事例もあります。

 

 なので昔から、漫画を人に知ってもらうのって重要だけど難しいよなあと思っていて、とりあえず自分の単行本については好きに宣伝してよさそうなので、色々実験をしながら漫画を宣伝していけたらいいなと思っています。