漫画皇国

Yes!!漫画皇国!!!

同人誌が勝手に中国語翻訳されてアップロードされている関連

 2年ぐらい前に「少年対組織暴力」という漫画を描いて、コミティアで同人誌として売ったのですが、その同人誌が、誰がやったのか、中国語に翻訳されて海外のサイトに勝手にアップロードされていることにしばらく前に気づきました。

 手元にある同人誌は売り切っていたので、既にWebに無料公開しており、別段そのことで実害はないので、この件に限定すれば個人的に問題は感じていません。

 

 

 なお、商業媒体で描いている漫画も、いずれそういうことが起きるかもなという想像があり、それに関しては問題を感じるだろうなと思います。

 

 この辺りについて思うことは、法的な問題と、金銭的な問題と、感情的な問題はそれぞれ別だなと思うことです。

 つまり、著作権的に問題がある/ないと、無料のものだから(あるいはお金を払っているから)問題がある/ないと、作者の感情的に問題がある/ないは、それぞれ独立して存在していて、上記の場合だと、法的に問題はあり、どうせ無料のものだから個人的に問題はなく、感情的にも個人的に問題はありません。

 むしろ、僕の描いていたパロディを解説する注釈を入れてくれていたりして、頑張ってるやんけという気持ちもあり、面白かったです。

 なので別に同人誌に関してはいいんですけど、これはあくまで「この条件なら」という感じです。

 

 そうではないケースも色々あるでしょう。

 

 そういえば、自分の子供の頃を振り返ってみて、「お金を払ったことはないがファン」ということは全然あるよなと思っていて、なぜなら欲しい漫画を全部買えるわけではありませんから、立ち読みしただけだけど、この漫画はすごく好きだし自分はファンだと思うということは実感としても全然あります。

 ただ、それをわざわざ作者に言うのは良くないなという気持ちはあります。ちゃんと買っている本もあるのだから、あなたの漫画は好きだが、お金を払うランキングでは他の本に劣りました、みたいなことを伝えられて良い気持ちになる人がいるとは思えません。

 

 漫画のキャプチャをネットに貼ったりすることも、著作権法違反は親告罪なので、黙認されているなら合法と言うこともできます。しかし、レギュレーションが明示されていない場合、黙認されているかどうかを確認するすべはなく、法的には危ないことをしているという状態でしょう。

 法的には本来問題があるような状態でも、それを読者が好きで盛り上がってくれているのだからと公認してくれる漫画もあり、ファン活動としてやっているように見えるものであれば、基本的には黙認されている方が多いと思います(そうでない場合は訴えられているケースもあります)。

 

 一方で、法的にも金銭的にも問題なくても、作者が嫌だと思うこともあり、それはそれで尊重する態度もあるだろうなと思います。

mgkkk.hatenablog.com

 

 何が正しいと考え、どう行動するかはそれぞれの人にその選択があるのだと思います。権利を侵害され、金銭的被害が出ていても、その状況を何らの理由でよしとする作者だっているかもしれません。

 

 ジャンプ+の連載作が基本的に多言語で同時配信されるようになるというニュースを見て、どこかの誰かに勝手にやられるぐらいなら自分たちでやろうという感じなんだなと思いました。MANGA PLUS(ジャンプ+の海外版)自体は以前からありましたが、その方向性の加速です。勝手に翻訳されてどこかに掲載されるよりは、ずっといいのかもしれません。

 ただ、無料と競争するなら、無料になっていくので、単純には儲からないことをやらないといけないのはしんどいなという感じに見ているのですが、そういう部分を今金銭的に余裕のありそうなところがやってくれるのは良い話だなと思います。

 余裕があったら、僕の「恋のニノウチ」もやってくれないかな…。

 

shonenjumpplus.com