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ラストチャンスなので「ジョジョランズ」を予想します関連

 明日の夜にはもうジョジョの奇妙な冒険第9部「ジョジョランズ」が始まってしまうので、妄想をするなら今のうちだ!!という気持ちで内容を予想します。念のため書いておきますが、特に当てたいという気持ちがあるわけではありません。好きなことを書きたいだけです。こういう遊びができるラストチャンスだからというだけの理由です。

 

 ジョジョの奇妙な冒険は6部で一度世界の終焉を迎え、7部からは新しい宇宙での話となっています。そしてその新しい宇宙で起きたことは、前の宇宙で起きたことと薄く繋がっています。

 7部の内容は1部と共通する部分がありましたし、8部の内容は2部3部4部と共通する部分があると思いました。となると、これから始まる9部は5部や6部とかかわりがあるのではないか?と想像してしまいます。

 

 そう考えたときに、主人公は8部の主人公である東方定助の子供になる可能性があるなと思いました。なぜなら定助に子供がいると、5部の主人公ジョルノ・ジョバーナと似る部分があると思うからです。つまり、5部の主人公ジョルノはDIOの息子でした。そしてDIOは首から下は1部の主人公ジョナサン・ジョースターの体を乗っ取ったものです。

 それによってDIOの息子でありながら、ジョナサンの肉体によって生まれた子供となり、DIOの息子でありながらジョースターの血統でもあるという特異な存在となりました。

 

 一方、8部の主人公東方定助は、2人の人間、吉良吉影と空条仗世文がロカカカという果実と特殊な土地の力によって縦に分割されて融合した存在です。そして吉良吉影は4部の敵役のラスボスであった男と同じ名前の存在です。つまり、その子供はラスボスと主人公が合体した存在の子供となり、その意味でジョルノと同じとなると思うのです。どうですか?

 

 現在明かされている話としては、主人公の顔と、彼が南の島で大富豪になる物語であるということです。

 

 南の島というキーワードは8部の終わりでも出て来ていて、それは失われたロカカカが発見された場所としての文脈でした。再びロカカカを巡る物語になるのか、もしくは、ロカカカを生んだ土地そのものに何かがある話になるのかもしれません。土地というのはキーワードとして出てきていて、特に7部と8部では、土地が人に力を与えたり、土地が人に呪いを与えたりしています。島にも何かあるのかもしれませんね。

 

 さて、ジョジョの奇妙な冒険は特に近作では、「運命」を巡る物語となっていると思います。それは5部の最後のあたりから強く出てくるようになったテーマで、そこでは「運命」とは「変えられないもの」であることが描かれます。誰かが死ぬという運命はどうしても変えられません。我々は運命に対する眠れる奴隷です。しかし、目覚めることで何かを切り開いていくことができるかもしれないという願いがそこにありました。

 

 6部の最後はその運命という考え方を強く反映したものとなっています。全ての人間が自分の運命を知ってしまうことで覚悟ができるという話になります。何が起こるかが分かっているからこそ、自分の人生を覚悟し、その覚悟があることこそが幸福であると説かれます。

 この考え方は初読時には上手く呑み込めませんでしたが、例えば、本に置き換えてみたときに、結末を知っている物語を再読するときには、「結末が何であるか?」という部分以外の細かな表現に気づくことができたりします。何が起こるか分からない暗闇の中でどきどきすることにとらわれず、感動すべきところでは感動を受け入れる体勢で読み、悲しい場面の前では悲しみを受け止める気持ちで読むことができます。そのような読書体験は豊かだと感じます。それを人生に置き換えたときに、確かにそれも豊かかもしれないという気持ちになりました。

 しかし、そのような過程と結末の分かっている人生は、その状況を引き起こしたプッチ神父の死とともに失われます。

 

 7部では1巡した世界の中で、1部と同じようにディエゴ(ディオ)とジョニィ(ジョナサン)が戦い、その勝敗は異なりますが、ディエゴが1部と同じような首だけとなった姿が登場したり、船の場面で終わったりします。8部で明らかになることですが、ジョニィも結局1部のジョナサンと同じように首から上が失われる形での死を迎えることになります。何かが変わったようで大きくは変わらなかった。それは運命であったのかもしれません。

 

 7部で登場する概念として「黄金の回転」というものがあります。それは黄金比の長方形を分割することで描かれる螺旋で、どこまで分割しても同じ構造が出てくるフラクタル構造なので、無限に続く螺旋でもあります。この黄金の回転は、作中に存在する、複数の並行世界を超えられる唯一の力です。

 この黄金の回転がなぜ並行世界を超えられる力となるのか、当初はよく分からなかったのですが、運命というキーワードと関連付けて考えてみると、繰り返し同じ構造が何度も出て来ながら、無限に続いていくという構造が、何巡も無限に繰り返される世界と、そこで奏でられる運命と同じ構造と捉えることができると思いました。

 

 つまり、黄金の回転とは「最小構成の運命」です。なので、運命には運命をぶつけることで、異なる結末が導けるという可能性として登場したと考えることができると思いました。

 

 8部では「どうしようもないもの」が何度も登場します。物語の始まりが震災の爪痕から始まったこともあり、人間の意志程度ではどうしようもないものの中で人がいかに生きて行くか?というテーマ性があるのではないかと思いました。

 また、8部のラスボスの能力は「厄災」です。追えば厄災にあい、人はその前で無力にやられてしまいます。その厄災を乗り越える唯一の手段もまた「黄金の回転」でした。それは星形のアザを通じて定助に伝えられ、その力は厄災に対する対抗手段となります。

 

 この流れで言えば、9部もおそらく何らかの形の「運命」の物語になるのではないでしょうか?7部や8部が1巡前の世界と似ていたように、繰り返す世界もどうしようもない運命かもしれません。それを超えられる黄金の回転は星形のアザによって伝わり、星形のアザを持つ者は使命を持って選ばれた者です。それがきっとジョジョという名の人間です。

 

 8部の最後で東方定助は自分は誰でもないことを語ります。その肉体は、吉良吉影と空条仗世文から作られていますが、自分は土の中から生まれた定助なのだと。ここで描かれたのは、ジョジョという立場をジョースターの血統というものから解放する物語であったのではないかということです。8部の冒頭で語られたのは、「これは呪いを解く物語」だということです。

 ジョースターの血統が毎回主人公としての立場を得ることも運命で、それが呪いとも捉えられるとしたら、ジョースターの血統はついにジョジョという呪いから解放されたのかもしれません。ジョジョリオンというのはジョジョという福音とうタイトルです。ジョジョとはどこから来るものなのか?という物語であったのかもしれません。

 

 ジョジョとは使命でつながった星形のアザを持つ存在であり、運命に唯一対抗し得る「黄金の回転」を持つ者である、というのが僕が解釈したこれまでのジョジョの物語です。

 

 であれば、「ジョジョランズ」という9部の物語は、そのジョジョをめぐる物語なのかもしれません。これまで登場した、土地の呪い(悪魔の手のひらや東方家の土地)、血統の呪い(ジョースターの血統)の先に、ジョジョという名前の呪いに立ち向かう物語であるのかもしれません。

 

 そう考えたときに、6部の主人公である徐倫(ジョリーン)が、最後にアイリーンという名前に変わって出てきたことが思い出されます。ジョリーンがアイリーンとなることで、彼女はジョジョではなくなりました。つまり、ジョジョという名前の呪いから解放された人物であると捉えることができます。

 

 まだまだ思うところはいっぱいあるのですが、僕の予想する9部は、ジョジョという名前の持つ者が抱え、世界を超えて繰り返される運命の呪いに立ち向かう物語です。その舞台は人に力や呪いを与える島で、主人公は定助の子供のジョジョで、そして徐倫も登場するかもしれません。いや、他にもたくさんジョジョが出てくるかもしれませんね。

 対戦お願いします。

 

 保険のためにもう1案予想を書いておきます。主人公が大富豪になることから、第一話でわらしべを拾うかもしれません。