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昔のゲームが今も遊べて欲しいけど、実際はそんなに遊ばない関連

 PS3やPS VITA、PSPのゲームストアが近々サービス終了するとの報せがあり、残念だなという気持ちと、仕方ないよなという気持ちがあります。

 

 特に近年、新作ゲームを遊ぶ時間を確保するだけで手一杯で、家に既にたくさんあるゲームを久々に遊ぶかと手に取ることもあまりなく、ちょっと手に取ったところで、数時間遊べば満足してしまったりします。

 結局のところ、昔のゲームを今遊ぶことがあまりありません。でも、一方で、ずっと遊べる環境が存在して欲しいというワガママな気持ちがあります。だって、いざあれを久々に遊びたいと思ったときに、遊べる環境が存在しないということにショックを受けてしまうからです。

 だから遊べてくれ!!と思ったりしますが、その環境を維持するのもタダじゃないんですよね。

 

 何かが手に入る状態を、常に維持してもらうということにはコストがかかります。実店舗では、店の一角を占有するわけですし、デジタル販売のサーバでも、長期間維持すること費用はゼロではないわけです。でも、いつでも買える状態を維持することそれ自体には、人はお金を払わないじゃないですか。お金を払うのは買ったときです。それがいつになるかは分かりません。

 いつ買うかも分からないお客さんのために、ずっと買える環境を維持できるかは、全体の売り上げの中から、それを十分にまかなえる状態であることが必要です。そして、それは古いものに対しては段々とできなくなっていきますよね。だから仕方がないなと思います。

 そういうものです。

 

 今回のことによって、PSのゲームアーカイブスを遊べる環境がなくなっていくことになりました。もしかすると、そのうちPS5が対応してくれるのかもしれませんが、少なくとも今のところ、その計画があるとは聞いていません。

 そして、このような昔のゲームを電子配信の単品販売で安く買えるというビジネスは、結局あまり上手くいかなかったんだなと思いました。

 

 理由は大きく3つだと思います。

  • 結局昔のゲームを今の人はたくさんは遊ばない
  • 単価が安くて薄利なので多売しなければならない
  • 売る以上は事前テストにそれなりのコストはかかる

 

 いや、コストが見合わないという意味では、理由は結局1つなのかもしれません。ともあれ、これらを解決する方法は、既にいくつも提案されていて、そちらの方は上手く行っていたりもします。

 一つは抱き合わせ販売です。メーカー単位などで、なんとかコレクションと銘打ち、十本以上の抱き合わせ販売にして、フルプライスで売れば、薄利多売を避けることができるので、上手くいく可能性が上がります。

 そこに専用のハードウェアをつける商売も盛り上がりました。遊ばないゲームも抱き合わせで買わせて、単価を高くすることができれば上手くいく可能性があがります。専用ハードウェアは、ずっとサービスを維持するわけではなく、ハードウェアの生産を終了すれば、一区切りつけられるという意味でも、採算性を考えやすい商売だったのかもしれません。

 

 もう一つは、リマスターです。現代のゲーム機で快適に遊べるように手を加えたゲームを、そこそこの値段で売ることができれば、こちらも薄利多売を回避することができます。実際、リマスター版の方が、いろいろ行き届いた遊びやすさへの配慮があったりして、快適に遊べるので助かります。昔のゲームを昔のままに遊ぶのはやっぱりしんどいのではないかと思ってしまったりします。

 

 そして最後が、サブスク化です。月々の料金を得ることができれば、ペイできる可能性が上がります。任天堂が、ファミコンスーパーファミコンでこれをやっています。任天堂のやりかたの上手い点は、昔のゲームをやるための月額課金ではなく、ネットワークサービスのひとつとして、これもまた抱き合わせしているところでしょう。

 その点でも、結局昔のゲームを遊びたいだけのために、月額課金のサービスに加入する人は少数だろうなという想像があります。

 

 ゲームは、それが動くハードウェアとセットでなければ遊べません。そして、ハードウェアが更新されていく以上、ゲームはどんどん遊べなくなるはずです。とはいえ、独自に昔のゲームが動くハードウェアを作っている会社もありますし、パソコン上で吸い出したROMを遊べるエミュレータもあるので、非合法なものを含めれば、それによって遊べる環境としてはどこかで維持されていくのかもしれません。

 

 でも、やっぱり不安になります。3DS立体視のように、特徴的なハードウェアのあるゲームは、未来には遊べなくなっているかもしれないとか、ディスクのゲームは残っても、ネットワークで配信されたパッチはサービス終了とともに手に入らなくなるのでは?とかもあるじゃないですか。既に、携帯電話で動いていたゲームはもう遊べる環境がなかったり、サーバとの連携が必要なモバイルゲームは、サービス終了したら、もう人の記憶やプレイ動画の中にしか存在しなくなっているかもしれません。

 そう考えると、永遠に遊べる環境なんてないのかもしれないなと不安になります。なっても仕方がないんですが、百年後の人たちは、僕が今遊べるゲームをもう遊べないのでは??と思ったりしてしまいます。

 

 結局、商売として成り立つものであれば、自然と色んな方法で遊べる環境は維持されていくのでしょう。百年後でもFF7とかはまだ遊べそうじゃないですか?でも、ドラクエ9すれちがい通信とかは難しそうですね。大掛かりなアーケードゲームもそうです。

 そして、商売として成り立たないものは、どこかの誰かが頑張って維持しようとしなければ消えていくのだと思います。

 きっとこの先も色んなゲームが遊べる環境が失われていくんだと思いますが、でも、昔のゲーム遊んでないじゃんって言われたら、遊んでないな!と思うので、そこで辻褄が合っちゃうんですよね。結局、そんなに遊ばないわけですよ。

 

 でも、遊べる環境が、自分にとって低コストで維持できるうちは維持したいので、PSPのゲームとかゲームアーカイブスとかはストアの終了前にいくつか買っておきたいですね。

 あとは文化事業として、どこかの誰かが頑張って環境の維持をしておいてくれ!という無責任な願いだけがあります。