三浦建太郎先生が亡くなったニュースを知ったときはとてもショックで、そして「ベルセルク」はここで終わりなのかという気持ちと、最後に描いていた話を読んで、それでもここまでは描かれたのだという気持ちになったのを覚えています。
個人的な感覚で言うと、物語が完結するかどうかについてはそんなに重要なことではないと感じています。僕が好きな様々な物語の中には、作者が亡くなったり、何らかの理由で描けなくなったりしたことで終わったものはすでに多くあります。
それでも、その物語が好きだったのは「いずれ完結するという期待から」ではなく、「読んでいる今面白かったから」なので、完結しようともしなくとも、その物語が僕自身にとって良いものであったことは揺るぎないことです。
なので、僕個人の感覚としては三浦先生のベルセルクは41巻で終わり、そして、それは自分の心に残るとても素晴らしい漫画でした。
そして、ベルセルクの42巻は、三浦先生の筆は入っておらず、スタッフと三浦先生の親友であり、物語の結末を知っている森恒二先生の力で描かれています。続きを描くのであれば、これ以外の人選はなく、様々な葛藤があったのでしょうが、それを乗り越えてこの続きが描かれるという選択がされ、それが読めることはとても嬉しい気持ちがあります。そして、読む中でやはり三浦先生の漫画とは違う部分を読み取ってしまっています。でもそれでいいんだろうなと思います。
描いているのは三浦先生ではないのだから、三浦先生の漫画と比較して、どこが違うというところに着目する話ではないように感じています。
森先生が知っている、ベルセルクの物語が今後どうなる予定で、そしてどのような結末を迎えるのかは、三浦先生が描きたかったものなのだから、それが形になることはやはり良いことで、そして、それを読者に伝える様々な手段の中で、漫画として描かれるというのも、それが一番適しているのだと思います。その選択がされてよかったです。
だから42巻が出てよかったなと思うのと、43巻以降も楽しみにしています。