漫画皇国

Yes!!漫画皇国!!!

兼業漫画家を目指すときのチェックポイント関連

 この前、参加しているWebラジオの「人生思考囲い」に、兼業漫画家を目指している人からの相談がありました。既に受賞歴もある方、また仕事も研究職とのことなので僕と状況が近いです。

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 相談内容をざっくり言うと、今の仕事が向いていない気がしていて、このまま頑張るか、仕事を変えるか、思い切って漫画に全振りしてみることについてどう思いますか?ということでした。細かい事情は分からないのですが、その時点で分かっていることをベースにとりあえずの回答をしました。

 

 基本的に当人が自分の選択をするのであればどれも正しいと思います。人生には正解の道があるのではなく、今歩いている道に納得していくしかないと思うからです。

 

 その前提で、僕の考えるベターな選択は、まずは会社の仕事をがんばりつつ、漫画もやってみるということです。一見、一番キツそうな感じなのですが、これは別に根性論を言っているわけではなくて、自分自身がどう思っているのかを明らかにするための工程と考えています。

 つまり、「今の仕事が嫌だ」という理由で「漫画家になりたい」と思っているだけなのではないか?という疑惑です。

 

 もちろんそれだって立派な理由です。問題ありません。そこで危惧しているのは一点だけで、「実は漫画は別に描きたくない」のではないか?という疑惑です。その場合、仕事を辞めたあとも別に漫画を描かずに過ごしてしまうかもしれません。しかし、表層意識では漫画を描きたいと思っているわけですから、描きたいと思っているのに描けないという状況になり、自分を追い詰め始めたりして精神の衛生が悪くなっていきます。おまけに貯金も減っていくので焦ってくるかもしれません。

 そうなってくると精神がとても厳しくなり状況を抜け出すのも大変なので予めはっきりさせておく意味があります。「自分は本当に漫画を描きたいのか?」というところをです。

 

 そのための方法のひとつが「働き続けながら漫画を描く」ということです。働きながらの他のことを考えないといけないとか、時間がとれないという状態でも漫画が描けるなら、それは描きたい気持ちがあるということなので、安心できます。例えば、少なくとも読み切りを一本掲載されるまでは働きながらやってみるといいのではないでしょうか?

 それができたら描きたいことは間違いなさそうなので、辞めてもいいように思います。でも、辞めずに描いている僕からすると未知の領域なのですが…。

 

 あと、別な話で漫画に限った話でもないんですが、苦手なことをしばらく続けてみるということには僕は希望を感じていて、それをやることで人生の自由度が増すように感じています。

 まずは1回やってみるという精神に自分は助けられていて、苦手と思って避けていることの中には、1回もちゃんとやったことがないからという理由で苦手と思っているものがあります。結局得意にはならないかもしれませんが、2回目にやるときには「1回やったことがあること」になるので、かなり気が楽になります。

 

 例えば、僕は免許をとってから数回車を運転したあと、その後はペーパードライバーになってしまい十数年車を運転しておらず、運転していないから運転する気にならず、運転する気にならないから運転できないという悪循環に入っていたことがあります。

 そのときは仕事で運転をしないといけなくなったので、仕方なくペーパードライバー講習を受けに行って、それがきっかけでまた運転できる自信がつき、レンタカーでどこかに行ったりできるようになりました。

 これも一回立ち止まったあと動き出すのがすごく難しくて、でも一回動き出してしまえば動けたんですよね。そういうことが色々あると思います。

 

 こういう成功体験をたくさん集めることで、2回目以降が楽になるように1回やってみるかとか、苦手だけどしばらく続けてみるかと思いやすくなります。

 なんせ今やっている漫画を描くことだって20代の頃にチャレンジして最後までちゃんと描けなかったのを30代で再びチャレンジして今連載を持てたりしているわけですし、今初めてチャレンジしている管理職の仕事だって、絶対向いてないし、日々向いてないなあと思いながらやっていますが、でも、やらずに苦手だと思っていたときよりは随分ましで、何が苦手で、何だったらできるかとか、どういうやり方をすればできるかという目の前のことの整理はできるようになってきました。

 できなかったことが少しずつできるようになることで、その道を忌避しなくてもよくなりますし、日々の生活が少しずつ楽になります。そういうこともあるので、まずは今目の前のことを頑張ってみても良いことがあるかもしれないと僕は考えています。

 

 でも、どうしても嫌になったらすぐ撤退しようとも思っていて、それも結局自分の日々の生活を楽にしたいからなんですよね。結局それが一番です。

 すぐに会社を辞めることもできる!と思って日々生活しており、いつだって辞めれるので、今は続けているみたいな感じです。僕の場合は。