漫画皇国

Yes!!漫画皇国!!!

単行本を2冊同時発売して良かった関連

 ちょうど1週間前、10/12に単行本が2冊同時発売されました。コミックビームで連載中の「ゴクシンカ」と同時に過去の同人誌のリマスター版である「ひとでなしのエチカ」を同時発売するという話は、ヤングキングの担当編集からの提案です。「できないでしょうか?」と聞かれたときには「できるのか…?」と疑問でしたが、なんとかできたので良かったです。

 

 そしてヤングキングに「ラブソング」と「虚無病」のリマスター版を2ヶ月連続で載せることができたので、あと1話直せば本に出来ると分かったことで、頑張ればなんとかなるかと思ったので、なんとかなりました。

 

 両方とも良い本になったと思うので、良かったら読んで下さい。ピエール手塚がこの先売れたときに、昔から読んでいたと自慢するチャンスですし、この先売れなかったときに、売れなかったけど面白い漫画があったと話すことができるチャンスです。

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 なので買ってください。

 

 僕は漫画の告知や宣伝をするのは結構好きなので、ここのところは告知や宣伝をしまくれて楽しいなと思います。2冊同時に発売したことで、プロモーションのためにインターネットに無料公開できる漫画が2つありましたし、「ひとでなしのエチカ」の方は電子版が1週間先行して発売する施策を行ったので、1週間ごとにプロモーション出来て良かったです。

 

 あとがき漫画にそれぞれの漫画の宣伝を入れたことで、買ってくれたひとの反応には、良かったのでもう1冊も買ったという報告もあり、そう、それがやりたかったんですよ!と思いました。「ひとでなしのエチカ」と「ゴクシンカ」は、根底にあるのは実は同じような価値観なんですが、自分が満足していれば良かった同人誌と、他の人と一緒にやっている以上、どのように読まれるかを考え、ちゃんと届けることを考えている商業誌ではアプローチが異なっていて、ウケる層も違うだろうなと思っていました。

 

 同人誌だった「ひとでなしのエチカ」は剥き身なので、刺さる人には深く刺さるのではないかと思っていますが、商業出版したところであまり広がる本だとも思っていませんでした。そもそも短編集は作家買いが基本だと思うので、無名の新人の短編集なんて興味を持たれることが少ないと思うんですよね。でも、内容としては今を描いているものなので、自分がいつか売れたらとかではなく、今出せるなら出したいという気持ちはあって、それを連載作と関連付けられるタイミングで出すことが出来て多少の勝機はあると思ったので、良かったです。

 本作に収録されている漫画はそれぞれ、指差し確認のようなもので、人の感情や状況について「それがある」ということを描いているつもりです。あるはずのものがないように扱われている人に対して、あるよと伝えたい話なので、届くべき人のところにいつか届けたいと思っています。今は電子版もあることですし、長く売ることができればいいなと思います。

 

 「ゴクシンカ」の方は、自分の抱えている気持ちを多くの人に届けるためにはどのようなアプローチをとればいいかを真面目に考えた漫画です。変な漫画であるという感想も既に沢山頂いていますが、それは奇をてらって変な漫画にしようと思ったわけではなく、僕が描きたいことの最適な形を模索した結果出来たものが、人から見ると変に見えるということだと思います。めちゃくちゃ真面目に描いています。

 自分の伝えたい内容を、読んだ人にできるだけ伝えるにはどうすればいいのか?について、思いついた方法をとにかく入れているので、上手く行けばいいですし、上手く行かなければその反応を見てやり方をアップデートしていこうと思います。

 この連載には明確に伝えたいことがあり、それが十分描けるような話になればいいなと思っています。そのためには漫画を描く能力の向上と続けることが大事で、そのためにも面白いものを作らないとなと思います。

 

 漫画の仕事は面白いので少なくとも当面は続けたいなと思っており、そのためにも本を買って貰った方がいいので、興味があったら買ってください。いや、本当は興味がなくても買ってほしいです。読んだら面白いと思うので。

 

 試し読みも置いておきます。