漫画皇国

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最終回で火星に向かう漫画は良い漫画関連

 漫画の良い最終回って色々類型があると思うんですけど、僕が好きなものの一つが「火星に行く」という最終回です。この終わり方をしている漫画は名作ばかりで、例えば「YAIBA」や「度胸星」がそれにあたります(ゲッターロボ號もそうだと人に聞きました)。

 

 昨日、「キラっとプリ☆チャン」の最終回を見ていたら、月に向かうシーンがあったので、実質的にほぼほぼ火星に向かうエンドだなと思って、これはいいアニメでしたよ!!という気持ちを抱きました。

 

 火星に向かうエンドの何がいいかっていうか、具体的にはYAIBAの終わり方が良いという話をするんですけど、主人公の刃とヒロインのさやかは、沢山の冒険をしてきたわけですよ。でも、刃は旅に出て、さやかは日常に戻ってしまうわけです。

 そして、時が経ち、少し成長したさやかは、自分にはあの頃のような冒険がもうないのかなと思って悲しくなってしまうわけですよ。これって読者も同じなわけです。これまで読んできた冒険は、もう続きがないのだと思って悲しくなってしまうわけです。

 

 そこに、急にやってくるのが刃なんですね。あんなに小さかった刃がいつの間にかさやかの身長を追い越していて、そして、今他の仲間たちがピンチだと言うわけです。さやかのいないところで、読者の見えないところで、まだまだ冒険は続いていたわけです。それを知らされるわけです。

 みんながピンチだから、だから、「さやかの力が必要だ」と言うわけなんですよ。さやかは、自分はもう一生蚊帳の外だと思っていたかれど、そうではなかったんです。

 

 特別な剣を失っていたはずの刃は、知らぬ間にまた新しい剣を見つけていまいした。沖縄のさきっちょで見つけた魔剣クサナギは、乗ると空を飛び、大気圏を突き抜け、宇宙に飛び出します。さやかに行き先を聞かれた刃は事もなげに答えます。「火星」。

 

 最高じゃないですか?

 

 漫画は最終回を迎えます。読者にはその先を見ることはできません。でも、諦めるしかないそれも、実はどこかで続いているという想像力を持つことができます。その先には、無限の冒険が待っているという、可能性だけ無限大に広げたワクワク感を残した終わり方だったんです。火星エンドは。

 読み終わったあと、当然寂しさもないではありません。でも、一方で、彼らの冒険がずっとずっと続いていくと思えることが、力をくれる気がするんですよね。

 

 「YAIBA」は大作長編だと思っていたので、その後、始まった「名探偵コナン」がそれ以上にこんなにも超大作になっているのも何か不思議な感じがします。まだしばらく先のような気もしますが、コナンはどんな感じに終わるのでしょうか?

 

 そういえば、「沖縄の先っちょで見つけた魔剣クサナギ」という言葉の意味なんですが、YAIBAの世界では、日本列島の正体は八岐大蛇なので、古事記と同じように、八岐大蛇の尻尾からクサナギの剣が見つかったという小ネタだったことには、完結後ずっと経ってから気付きました。

 刃とさやかは、今はどんな冒険をしているのだろうな?と今も考えることができます。