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「仮面ライダー」と「デビルマン」の共通点関連

 「シン仮面ライダー」を見たあとで、そういえば漫画の仮面ライダーを読んでなかった気がして、電子版で買って読みました。読みながら思ったんですけど、今まで考えたことがなかったけど仮面ライダーデビルマンって共通点が多いなと思ったので、その話を書きます。

 

 大きな共通点としては、人間と人間にあだなす存在(ショッカー or デーモン)がいて、そちら側の技術を取り入れた存在(仮面ライダー or デビルマン)が人間のために戦うという構図です。また、敵側は人間と別の何かが融合した姿(怪人 or デーモンの合体能力)で登場するという部分も共通します。

 なので、例えば仮面ライダーのコウモリ男との戦いと、デビルマンの妖鳥シレーヌの戦いなどには似た要素が読み取れるなと思いました。

 

 これはパクったパクられたみたいな話をしたいわけではなくて、そこに共通するものが背後にあるような気がするんですよね。

 

 この2作の連載開始時期は仮面ライダーが1971年(週刊ぼくらマガジン⇒週刊少年マガジン)、デビルマンが1972年(週刊少年マガジン)で、ともに東映での映像化に合わせての企画です。つまり、原作漫画があって仮面ライダーの特撮化、デビルマンのアニメ化が行われたわけではなく、共通する企画を元に、漫画と映像化が別々に行われています。なので、漫画版と映像化版は物語の設定は一部共通であるものの、別個の作品として存在しています。

 つまり、同時期の東映変身ヒーローものとしての企画であるために、その根元の部分に同じ構造があって、そこから派生しているのではないかと思いました。この辺、その当時の事情に詳しい人がいると思いますが、僕が完全に想像だけでこれを書いています。

 

 似た事例として思い当たるものとしては、NHKでの同じアニメ企画が元にあった「天空の城ラピュタ」と「不思議の海のナディア」にも、「機械好きの少年」と「不思議な石を携えた少女」が「超古代文明の遺産を巡る争いに巻き込まれていく」などの共通点が残っています。

 

 念のため書きますが、多くの共通点を見いだせるとはいえ、描いているものは異なり、それぞれ全く違う面白さのある作品であると思います。

 

 なんでこういう話を書いているかというと、ここで僕が思ったのは、今までデビルマンオマージュだと思っていたものが、実は仮面ライダーオマージュと解釈しても大丈夫だったのではないか?ということです。

 

 シン仮面ライダーを観てからの話なので、例えば、新世紀エヴァンゲリオンなのですが、人造人間エヴァンゲリオンも、人類にあだなす使徒を元に人間が作り上げた存在であるため、敵の技術で敵と戦うという意味で、仮面ライダーでありデビルマンなんですよね。

 そう思うと、そこに拘束具としての装甲をつけたエヴァンゲリオンは、デビルマンよりもむしろ仮面ライダー性が強いなと思いました。

 

 さらに、漫画版仮面ライダーでは脳だけになった1号が仮面に宿り、2号がそれを被ることでショッカーと戦う展開があります。これは、母親の魂が取り込まれたエヴァンゲリオンに子供が乗るということと重なりますし、旧劇場版の量産型エヴァンゲリオンが弐号機の周りをまわる描写は、量産型の仮面ライダーのシーンと重なって見えてきます。漫画版では仮面ライダーが1号を含めて13人登場し、13号機まで存在する量産型エヴァンゲリオンって、つまりは仮面ライダーだったの??と思い、これまで考えたことがなかったエヴァンゲリオン仮面ライダー説について延々考え始めてしまいました。

 

 これは僕がなんとなくそう思ってというだけの話ではあるのですが、一連の「シン」シリーズを見ていて、シンウルトラマンを観たときにも、エヴァンゲリオンってウルトラマンだったんだなあと思ったことがあり、今回もエヴァンゲリオン仮面ライダーでありウルトラマンであったのでは…と思って、なんだか種明かしをされている気分になってきました。

 そう考えると、新世紀エヴァンゲリオンというアニメは、これまで存在した漫画やアニメや特撮に対する批評的な作品であったという解釈になってきます。つまり、先行作品を読者や視聴者として、どのように鑑賞し、そのどこの部分を良いと感じたのかという核の部分を抽出して転写し、自分はこれだけ先行作品を楽しんだぞという気持ちそのものが作品化されているという解釈です。

 

 新しい「シン」シリーズ作品が出てくれば、また新たな「エヴァンゲリオンは○○だったのか」を思ってしまうのかもしれませんね。

 

 シン仮面ライダーについて思ったことの詳細は今回は書くのを控えますが、人間のために戦うヒーローというものがどういう存在であるか?という主張がとても色濃く存在する映画だと感じました。

 

 ともあれ、今までデビルマン的であると思っていたものが、実は仮面ライダー的としても解釈できると思ったところで、僕が初代の仮面ライダー世代ではない(デビルマン世代でもないですが…)というところで、後続の作品の中に見落としているものが、実は沢山あるのかもしれないなと思ったという話です。