漫画皇国

Yes!!漫画皇国!!!

オタク同士の念能力バトル関連

 昨日、仕事先で色々な企画を考える会が催され、その考えをまとめるために、ホワイトボードを使って、あれこれ図や絵や字を描きながら、どういうことを考えているのかの共有や議論を一日やっていたのですが、そのとき初対面の仕事先の女性(デザイナーではなく技術者)の描く絵が、「これはやっているな…!」と感じる絵だったので、この人、ひょっとして同人活動をしているのではないか?という疑いが出てきました。

 

 もちろん相手に確認はしていないので結局正解は分からないのですが、その絵は完全にやっている人の絵で、つまり、漫画の絵は情報を伝えるために特化したある種の象形文字みたいなものなので、その文字を書けるということは、その文字が通じる文化圏でコミュニケーションを繰り返している可能性が高く、「絵を描くオタク」の可能性が高いなと感じられたということです。

 

 僕は、漫画を描いていることを仕事関係の人に一切言っていないので、特に仕事先には知られたくねえ…という気持ちが強く(本業以外を頑張っていることを知られて良いことがない)、その後、自分の説明用の絵からあえて漫画的記号を抜く意識で描いたりしました。ただし、そういうものは隠そうとしてもにじみ出るものなので、向こうにも気づかれてしまっていたのかもしれません。

 

 ハンターハンターの念能力者同士の戦いは、まずは相手を認識した時点で「凝」を使うことが基本です。凝はオーラを一部に集中させる技法ですが、目に集中させたオーラは相手のオーラの形を見ることができ、それによって様々な状況判断が可能になります。

 何が言いたいかというと、オタクのオタクを見分ける力もそれに近く、そのときの僕も、向こうの人の絵を見た瞬間に警戒して凝を行い、向こうの色々描いてくれる図示や絵の中から、明確にオタクがオタクに何かを伝えるときに使われる記号をいくつも見つけたので、この人は同人をやっているオタクかもしれない…と、即座に対策をすることができました。

 

 その次に僕がやったのは「絶」です。絶は、自分の出すオーラをゼロにすることで、向こうに察せられないように隠れる技術です。僕は自分が漫画を描いているオタクであることを隠したいので、そのオーラを隠し、向こうにできるだけ察せられないようにしました。

 しかし、オーラを急に隠すと、それはそれで警戒されますし、向こうは、円(自分の周囲にオーラを球状に広げ、その範囲に入ったものを知覚する技術)を使って、常に認識の範囲内のオタクオーラを監視しているかもしれません。このようにオタクの集まる場所以外でオタク同士が偶然出会ってしまった場合、オタクでない人には見えない様々な念能力バトルが発生していることがあります。

 

 オタクかどうかの話で言えば、僕は見た目が「まあ、コイツはオタクだろうな」という感じなので、存在しているだけで常に、自分がオタクであることを世間にメッセージとして発してしまっているみたいなところはあります。そう、人間は存在しているだけで、その見た目から様々なメッセージを発しており、髪型や服装、アクセサリーなどによって、言葉を発さずとも、その人が属している文化圏が露わになります。

 なので、自分が見た目によってどのようなメッセージを発してしまっているかについてはある程度自覚的になった方がよく、ただし、それによって周囲にどう思われたいかを見た目をコントロールすることは、行き過ぎれば大変な気持ちになることでもあります。

 

 メイクやファッションの流行のどこに合わせているかによって、どう思われるかが変わってきますし、それによって仲間だと思われたり、敵だと思われたりすることもあります。そこで、相手にどう思われたいかのコントロールのために、自分が好きでもないファッションをすることになると、それはそれで苦しみがあるかもしれません。

 さりとて、自分がしたいような服装だけをしていると、それが周囲と合わせられない人みたいに思われたりもしますし、人は様々なバランスの中で何かを選び取っています。

 特に男のオタクの場合は、あまり見た目の発するメッセージに気を遣わない人も多く、気を遣わない場合は、「自分は気を遣わない人間であるというメッセージ」を周囲に発しているので、この人は見た目によって自分が発するメッセージに無頓着な人である、というメッセージを発していることになります(もちろんオシャレが大好きな男オタクもいると思いますが)。

 そういうところから無頓着系のオタクであることは周囲に瞬時に伝わり、僕が「自分はオタクです」と言ったとしても、「だろうね…」で終わることだと思います。

 

 僕が今警戒しているのは、「自分が漫画活動をしていること」と「描いている漫画に到達されること」なので、オタクであることそのものは感じられてしまっても問題ありません。

 

 さて、女性のオタクの場合、その見た目から「オタクである」というメッセージを隠すこと(絶)に長けた人も沢山います。であるからこそ、女性同士の方が上記のさぐり合うようなオタク念能力バトルが起きやすかったりするのかもなと思いました。

 以前にも、ママ友が実はオタクなのではないか?ということを疑いつつも、その確証がないので、リサーチを繰り返している人の話を聞いたことがあります。

 

 その場合、ハンターハンターで言うと、念能力の凝を使う訓練の光景思い出されます。ビスケは、ゴンとキルアの2人を鍛えるにあたって、自分のオーラを数字の形にして、即座にそれを読めるかのテストを仕掛けてきました。常に凝をおこたっていなければ気づけるはずですが、凝を使えない人には決して気づくことができないメッセージです。

 

 相手がオタクかの探りをいれるときには、これを同じことをする人もいて、つまり、オタクならば分かる符丁を会話の中に入れたりして、向こうがそれに反応するかどうかの様子を見たりします。相手がオタク念能力を使える相手であれば、それに反応してしまったり、反応を押し殺しても、何かしらのオーラの揺らぎを感じて気づけるかもしれません。

 

 オタクの集まる場所以外のところでオタクの可能性がある人を見つけたとき、その人とオタクとして開示し合いたい人と、絶対気づかれてはならない(オタク活動とそれ以外の活動を切り分けておきたい)人の2種類がいて、どちらの場合も、相手がオタクであるかどうかに先に気づくことが重要なのではないかと思います。

 開示目的の場合は、オーラを数字の形にして試してみたりするでしょうが、それをやってしまうと自分がオタク念能力を使うことがバレてしまうので、隠したい人の場合は、可能性を感じた瞬間からよどみなく絶に移行する必要があります。

 今回の僕は後者だったという話でした。

 

 このように、オタク同士が街で出会った場合、そういったオタク念能力バトルが発生していることがあります。どうですか?皆さんはバトルをやっていますか?

 合言葉は「凝をおこたるなよ」です。