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中高年は新しい友達ができにくい関連

 人間は中高年になってくると新しい友達ができにくいという話をよく目にします。そうかもしれないなと思う一方で、自分にとってはあまり切実な話ではないなと感じていて、なぜなら僕は、若い頃から別に新しい友達ができやすかったわけではないからです。

 

 学生時代の経験では、同じクラスの誰かと友達になるのにだいたい1年ぐらいはかかっており、ようやく友達になった頃にはクラス替えというような感じでした。若い頃はそんな自分には問題があるのではないか?と思って、新学期に友達を作ろうかなと思って話しかけたりもしたのですが、そういう無理をして人に話しかける元気は、一週間もしないうちになくなっていき、最初はあれだけ元気よく話しかけていたのに、人に話しかけることがなくなり、向こうからも話かけにくいようで、4月の最初だけ頑張っていた人、みたいな感じになっていました。

 そういうの、ほんとダメだなあと思っていましたが、そんな僕でも1年ぐらいかければ、同じ空間にいるというだけで、なんとなく話す人も増えていき、学校に3年ぐらい通ったぐらいになると、それなりに友達がいる感じになっていました。

 しかし中高はそれで卒業しておしまいです。

 

 今は学校に通っていないので、同じ空間に人がいることがあまりありません。会社がそれにあたると考えられますが、会社に友達はひとりもいません。仲良く話したり、一緒に飯を食いに行ったり、飲みに行ったりは別にするんですけど、休みの日にまで予定を合わせて何かするような人はひとりもいないという感じです。

 会社の人が嫌いなのか?というと全然そんなことはなく、むしろ好きな人が多いですが、友達にはなりません。その理由を考えると、僕自身が壁をわざわざ作っているような気もしています。

 

 壁というのは、見せていない部分があるというところです。例えば、会社で、僕が漫画を描いているということを知っているのは2人だけです。その2人にも、商業誌でたまに描いたりしていることや、来月から連載が始まることは教えていません。

 情報だけでなく、自分の性格の素の部分を見せていないように思います。それはきっとコントロールしたいからだと思います。自分を会社用に装っているんですよね。なので、会社の人がコミュニケーションをとっているのは、装っている僕の部分で、僕の素の部分とは異なるので、一定以上の距離が縮まらないのだと思います。あえてそうしているきらいがあります。

 

 なぜかというと、会社人としてのコントロールすべき人格があると思っているからかもしれません。その場所に当面いることになるならば、そこでの人間関係が悪くなりたくないと思いますし、でも人間の性質の根っこの部分はどうしても、人と人とはぶつかる可能性があるので、人間関係を悪くしないための特別な人格が必要だと思っていて、それを装っているという感じだと思います。

 それで不都合はありませんが、友達はできません。

 

 さて、僕が近年友達を得ているのは、インターネットとコミティアです。インターネットでは比較的素に近い部分を出していると思っていて、それはなぜなら、誰かの目を気にした行動をしていないからだと思います。だから楽だなと思いますが、誰かとコミュニケーションをやる用の人格でもないので、人とやりとりをしません。

 そのように人とやりとりをしない状態で、例えばTwitterで数年相互フォローだったりすることがあります。ほとんどやりとりをしないままTwitterで数年相互フォローだったりする人というのが、比較的友達になれる可能性がある人だと感じています。

 きっかけの多くは、その人たちがコミティアに来てくれて、これまでお互いを認識しつつも、ほとんど言葉を交わしたことがなかったのに、初めて対面することで、距離が縮まったりします。数年間僕の独り言に耐え切った人たちなので、面構えが違いますし、比較的素の状態で喋っていても問題がない可能性が高いので楽なんですよね。

 

 場所はコミティアには限らないんですけど、そのようにして、何かのタイミングでやりとりを開始することで徐々に人間関係が発生し、友達になったりしています。

 頑張って友達になろうと思って行動してもできないけれど、同じ空間に長い時間いる期間を経て、なんとなく友達になっていくというのは、学生時代と同じことをしているなという理解があります。

 

 今も大体の友達はTwitter経由だったりしますが、とにかく、互いの手の内がある程度わかっている状態になるので、探るようなコミュニケーションをあまりせずに済むので楽です。

 

 人が友達になるために必要な条件は、「相手との間に壁をなくすこと」と「相互にコミュニケーションをとった量」かなと思っていて、中高年になって友達ができにくくなるのは、「互いにフラットな関係性の人と知り合うことが減ってしまう」ということと、「仕事や生活の忙しさから、十分な量のコミュニケーションをとることが難しくなる」ということからなのではないか?と思います。今は幸いインターネットがあり、直接会うイベントとかがまれにあったりするので、その辺の条件が満たされて、自分は中高年でも友達ができているのかなと思ったりします。

 

 友達はできているとはいえ、インターネットで人と仲良くなるのには、それぞれの人との間で3年ぐらいの時間をかけているので、やっぱりこれはできにくいと言った方がいいのかもしれません。でも、友達がどんどん増えたとしても、それぞれの人とやりとりする時間が減るだけな気がしますし、幸運なことに今いる友達との友人関係が十分足りているので、それでいいかなと思ったりしています。