漫画皇国

Yes!!漫画皇国!!!

4月から会社員と漫画の月刊連載の二足の草鞋を始める関連

 4月から漫画の月刊連載を始めます。連載する雑誌はコミックビームでタイトルはまだ仮ですが、「ゴクシンカ」、昨年の夏に掲載された読み切り「へレディタリー/極道」を、連載用に設定から仕切り直して再構築した物語です。

 

 本作は、もともとコミティアで出した「自分のことをヤクザの若頭だと思っているピエール手塚くんのグルメ紀行」という半エッセイ漫画を元にしていて、それを元に思いついたアイデアを昨年「へレディタリー/極道」という読切漫画で描いてみたあと、何かしらの手ごたえを感じたので、連載向けに再度練り直しました(ヘレ極とはパラレルです)。

 そのため主人公の名前は僕と同じ手塚です。僕の人生経験が反映された物語になるのではないかと思います。

 

 さて、会社員をしたままで月刊連載をしてみるというのは、そこそこ大変な試みだと思っていて、僕自身できるかどうかの自信はなく、踏み出すことに躊躇のある領域だったのですが、これまでこのブログにも書いて来たような漫画制作の時短テクを考えて習得しつつ、実際に読み切り原稿をいくつか受けて、どれぐらいの時間で仕上げられるかを何度か試すことで、これぐらいの分量ならばできるだろうといういくつかの手がかりを得たので、そのデータをもとにした判断で、やるぞ!という決意を固めました。

 連載開始前なら多少の描き貯めもできるので、その余裕の範囲でやりくりしながら、続けていこうと思いますが、これが本当にこの先上手くやれるのかどうかは全然分かりません。

 

 でも、本業の仕事がこの先に手が空くことは考えられないですよね。4月からは様々なしがらみから出世することを受け入れ、管理職としての仕事をメインにすることにしたので、苦手意識のあるマネジメント業務を今まで以上にしなければならなくなります。そういった事情もあり、「いつか手が空いたら」などと考えていたら、一生漫画の連載なんてしないだろうなと思うので、やるのだとしたら、チャンスが目の前にある今だろうなと思いました。

 そういう、様々な不安を塗りつぶしながら始める以上は、せっかくなので面白いものにしたいという気持ちは強くあり、どうにか少しでも面白くならないかなと色々考えていますし、無理めなことをせっかくやる以上は、売れるものを作りたいな…という気負いもあります。

 

 これが上手くいくかは全然わからないというか、これまで色々描いた読み切り漫画とかも、今までのところ好評に読んで貰えているようですが、発表するまでは見向きもされない可能性で不安でした。

 また、これまでは雑誌やWebに掲載されるだけなら、描いた漫画が編集部のジャッジを通り抜ければ良かったのですが、今後単行本を出たら、読者が「この本を買いたい」と思ってくれるかどうか?という今までは晒されていなかったジャッジに晒されるようになります。そのジャッジを抜けて買って貰えるか?というのは読めないし、とても難しいことだろうなと思います。

 

 コミティアで出していた自分で作った本も、色んな人が買いに来てくれるようになるまでそこそこ時間がかかったので、駆け出しの中年新人漫画家としても、人の目に触れて読んでもらえるのはすんなりとはいかないのでは?という想像はありますが、今は電子書籍もありますし、そこに時間がかかったとしても、とりあえず面白いと思える本を作っておくことが大事だろうなと思っています。

 

 幸いこの前40歳になったので、不惑パワーでなんとかしていこうと思います。様々な想像できる困難にも、不惑なので、惑うことなく淡々とやっていけるんじゃないでしょうか。連載が始まるのが、まだ惑いのある30代の頃でなくてよかったですね。

 不惑の中年新人漫画家、ピエール手塚の今後にご期待ください。