漫画皇国

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直感というものの僕の理解

 僕はあまり理路整然とした考え方をしないので、他人に自分の考えたことを説明するときにいつも困ります。多くの場合、なんとなくぼんやりと答えが先に出ていることがあって、後からその理由を考えて追認したり、論理的に考えて修正したりする必要がある感じです。そうして後から考えた理由を他人に話します。こういう「答えが先にある」みたいな話をすると、それはおかしいみたいなことを言われたりもするんですけど、多分人間はみんな(主語をデカくしてしまいました)そういうことを当たり前のように普通にやっていると思うんです。

 

 例えば、家の近所のある場所を思い浮かべて、そこから最寄りの駅まで行く道順を考えます。ほら、多分もう答えが出ているのではないでしょうか?家の前の道から、どこどこの角を曲がったらどこにでるから…なんて理詰めで考えなくても、もう知っているのです。それは過去の経験から抜き出してきたものです。僕はこれが「直感」というものだと思います。例えば、いつもの道が工事中であったとき、いちいち考えなくてもすぐに迂回路を思いつくはずです。それは理詰めでしょうか?僕は他人であったことがないので、実際他人がどう考えているかは不明ですが、多分、そこでもみんないちいち考えていないと思うんです。答えは瞬間的に既にあるはずですし、迷いません。

 

 迷うとすれば、一度も通ったことのない道があるときだけのはずです。あるいは、道自体が知らぬ間に大きく変わってしまっているときだと思います。

 

 僕は面倒くさいことはできるだけ機械にやってもらおうという考え方なので、自分がやれることをできるだけ機械にできるようにアルゴリズム化をしようとしがちなのです。そういうことをしていると、自分の考え方を因数分解する過程で、いつもどこかに飛躍を見つけてしまいます。筋道立てて考えず、一足飛びに答えを出している部分があるのです。

 

 だから人間は不思議だなあと思うのです。

 

 仕組みは不明ですが、「直感」というものが蓄積した経験を元に、筋道立てて考えずに何らかの仕組みで一足飛びに答えを出す方法だとすると、大切なのは経験の蓄積である気がします。道順の喩えで言うと、正確な地図を知らなければ道は分からないということです。また同様に地図のアップデートは随時かけないといけない気がします。なぜなら、古い地図を使っていると、直感で出した答えが間違っている可能性も高まると思うからです。

 

 何かの答えを出さないといけないときに、持ち時間のギリギリ一杯まで何もろくに出来なくて、残り時間の一割ぐらいで一気に答えを作り上げることが僕はよくあります。こういうときには、頭の中でスラムダンク三井寿が「なぜオレはあんなムダな時間を…」と連呼しますし、最初に一割でこれができていれば楽であるのに!!とすごく思うのですが、この直感の理解で言うと、答えを出せるまでの九割の時間は地図を整備している時間だとも言えるのではないかと思いました。なので、その地図ができていない最初の一割の時間で考え出せることと、苦しみ抜いたすえに最後の一割の時間で出せる答えは違うのだと思うのです。

 

 とまあ、こんな理屈を考え出したことで、僕は持ち時間をギリギリ一杯まで使い切ってしまう自分のダメなところを、精一杯免責してやれるのではないかと思ったりしたのでした。