漫画皇国

Yes!!漫画皇国!!!

2016-01-01から1年間の記事一覧

【世界初】レジプラをデコる【たぶん】

この前の土曜日、秋葉原で開催していた「技術書典」というイベントに行ってきたのですが、そこで、レジプラと言う機械を買いました。レジプラとは同人誌即売会などで会計管理をするためのレジソリューションです。iPhone用のレジアプリは既に色々ありますが…

本から読み取れるものの話

世の中には色んな本があります。そして、世の中には色んな人がいます。しかし、人が本から読み取れることは基本的に2種類だけだと思います。それは「わかっていること」と「わかりかけていること」です。もし、例外的なものを1つ付け加えるとしたら、「こ…

「うしおととら」における鏢の復讐について

ことのおこり 中国は広東省、とある市に近い村、その時代にはまだ街灯も少なく、夜になれば、吸い込まれそうなほどに暗く深い闇があったという。そんな闇の中を、男がひとり家路を急いでいた。薬屋に勤めている平凡な男だ。代わり映えしないが満たされた毎日…

ドラゴンボールにおける悟空のいない未来の話

ドラゴンボールの人造人間編は、人造人間たちの暴虐により荒廃してしまった未来から、タイムマシンに乗ったトランクスがやってくるところから始まります。トランクスは、サイヤ人の生き残りであるベジータと、地球人のブルマの間に生まれた混血児であり、時…

Arduboyをゲットした話、あるいはゲーム作りをゲーム化する話

僕が考えるところのゲームとは? 多分何回か書いていますが、僕はゲームの最小単位、つまり、僕がゲームと認識しているものから、可能な限りあらゆる条件を剥ぎ取っても最後に残るものを、「プレイヤーが入力して、画面に何らかの反応が返ってくること」だと…

「こども・おとな」と自分を形作る他人の話、ほか

福島鉄平の漫画には、情緒の機微のとっかかりにガンガンとフックをひっかけられて揺さぶられてしまうものが多いのですが、この前単行本が出た「こども・おとな」もまたそのような感じでした。 作中で描かれる日常の風景の、ぱっとしか見なけば平坦に見える表…

「国民クイズ」と一億二千万人の独裁者

人間は平等で、それぞれが持つ権利に格差があってはならない。その考えは、近代的価値観においてとても正しいものだろう。ある人間が別の人間と比較して権利が制限されないことを保証するということは、個人の尊厳を守るために有効に機能し、その社会の構成…

かつて僕にとってゲームとは雑誌のことだった

僕は割と時間を自由にできる生活なので、結構ゲームをやっていて、据え置きゲームも携帯ゲームも、スマホのゲームも、それぞれ別のゲームを空き時間にもくもくとやっていたりする。なんでゲームをするかというと、ゲームが好きだからです。 攻略法を考えて、…

水木しげるの「目に見えない世界を信じる」という話について

水木しげるの「幸福の七カ条」にこんな項目があります。 目に見えない世界を信じる 水木しげる氏が何を思ってこの項目を挙げたのかを、僕はちゃんと理解できているか自信がありませんが、僕はこの言葉が好きで、自分勝手に適当に解釈して座右の銘としていま…

「レヴェナント」を観たあとに思った自然と人間の話

先週、なんとなくレヴェナントを観たんですが、めっちゃ面白かったです。いや、面白かったというのは少し違う気がしていて、ただ、とにかく感情というかなんというか、精神の背骨のあたりにあるものを揺さぶられた感じがしていて、観た後しばらくポーっとな…

「金色のガッシュ」のコルルについて

今週のマガジンから雷句誠の新連載が始まりました。僕は雷句誠の「金色のガッシュ」がめっちゃ好きなので、本作に登場するコルルという少女について書きます。 金色のガッシュは、魔界の王を決めるため、千年に一度開催される100人の魔物の子による戦いを描…

獣性と神性の中間にある人間性について(ズートピアの感想にかえて)

ディズニーの映画、「ズートピア」が公開になったので観て来たんですが、めっちゃ良かったです。 ズートピアは、ニックが大変お気に入ったので、たぶんもっかい観に行きます。 pic.twitter.com/b8BEePxZ8F— ピエール手塚 (@oskdgkmgkkk) April 23, 2016 「ズ…

秋葉流はなぜうしおととらを裏切らなければならなかったのか

ある男がいた。彼は、凡百の人間が長い鍛錬と研鑽を重ねてようやく到達する高みに、一足飛びに駆け登ることができるような男だった。つまり、彼は天才だった。そんな彼を多くの人は羨む。そして、そんな羨みは、いずれ不平不満に変わるだろう。なぜならそれ…

自分が選ぶ側だと思っている人の持つ暴力性の話

「PS羅生門」という漫画の中に「世の中に選ぶ人と選ばれる人がいるのだとしたら、私はそのどちらでもなかった」という感じの台詞があります(記憶で書いているので正確でないかもしれませんが)。この言葉が僕はとても好きです。それは「選べない人」や「選…

「Life is Strange」における選択と責任について

「Life is Strange」は、PS3やPS4、Steamで発売されているアドベンチャーゲームです。プレイヤーは、アメリカはオレゴン州のある学校に通う女の子、マックスとなり、彼女が突如として得た「時間を巻き戻す能力」を駆使することで、ある事件の真相を追うこと…

高度に発達した人工知能は予言者と区別がつかない

「人間よりも機械の方が正しい判断をする」というのは、囲碁や将棋などのボードゲームをプレイする人工知能だけの世界でなく、随分前から既に生活の中の様々な部分で起こっていることだと思います。僕は以前、自転車を新調した際に、ハンドル部分にスマート…

ヒカルの碁 機械仕掛けの神の一手篇

その技術は人間の模倣から始められた。 その不完全な模倣の技術は、人間を代替し、人間自身が認識できない人間の深層を解明する技術として、大きな期待がかけられた。そして、その過ぎた期待は、ほどなく失望に変わる。なぜならば、それはやはり不完全な模倣…

「HUNTER×HUNTER」のキメラアント編における人間と人間以外の話

以下の記事を読んで、面白かったんですが、そういえば僕も以前書きかけて放置してたハンターハンターのキメラアント編についての感想文があったので、最後まで書いてみました。 d.hatena.ne.jp 「HUNTER×HUNTER」のキメラアント編の物語は描いているものとし…

「クッキークリッカー」と「スラムダンク」の共通点について

クッキークリッカーというゲームをずっとやっています。で、クッキークリッカーとスラムダンクが似てるなーって思いましたので、その話を書きます。 クッキークリッカーとは クッキークリッカーがどういうゲームかというと、ブラウザ上に表示される大きなク…

ゲームにたまによくいる顔と両手だけのボスの正体について

ゲームをしていると、たまに顔と両手だけがあって胴体や足なんかはないボスがいます。色んなゲームにいます。例えばドラゴンクエスト5のボス(ドラクエ6の間違いです! 2019/8/5追記)、デスタムーアなんかを想像する人も多いかもしれません。クロノトリガ…

周囲の影響を受けやすい人と「ペット」のメイリンの話

僕は大人の顔色を伺う子供だったと思います。なぜそうなったかというと、周囲にちょっとしたことで怒鳴り散らす大人がいたからでしょう。だから、その人を怒らせないように、怒らせないような振る舞いを心がけました。家で赤ん坊が泣きだすと不機嫌になる人…

雑な議論(オレオレ定義)とリスキーダイス

「雑」っていう言葉を割とよく使うんですが、僕がどういう基準でこの言葉を使っているかというと、「解決すべき問題に対して、考慮すべき要素としてピックアップしているものが少なすぎる」という意味で使っていることが多いです。「雑に言うと」という言葉…

漫画の蔵書8000冊、漫画雑誌は月に80冊以上読んでいる僕が大好きな漫画5つ

はじめに 家にある漫画、電子書籍で買ったのも含めるとたぶん8000冊以上はあります。あと、以前何かのときに数えたら、毎月80冊以上(週刊誌は4週分カウント)は読んでいるはずです。ということで、僕は一般的な平均値から比較すると多めに漫画を読ん…

「皇国の守護者」とその漫画版の違いについて

「皇国の守護者」は佐藤大輔の小説です。後に作中において歴史上の人物となる新城直衛を主人公とした、皇国と帝国の間の戦争を描いた物語です。舞台は現実よりも少しファンタジックです。テレパシーのような能力である「導術」を使う者や、知性を持った「天…

物語の等価交換と作品のリアリティについて

現在、商業的に出版されている漫画の多くは等価交換っぽい感覚で物語られているのではないかと感じています。それはつまりどういうことかというと、例えば、物語の中で何かの事象が起こったとき、その事象が起こるべき相応の理由が求められているということ…

フェミニストという言葉の誤解と漫画の読解力の話

僕が子供の頃(80年代から90年代にかけて)は、インターネットに繋がった端末がいつも手元にあって、すぐに何かを調べられるというような状況ではなかったので、新しい言葉が出てきたときに、その意味をいちいち調べるのは面倒でした。なので、辞書を引いて…

強さと悪さを兼ね備えた者だけがキャッチできる信号の話

「幽遊白書」の戸愚呂(兄)は、弟に粉々にされたあと、海を漂います。そして、少しずつ再生し、ある浜辺に着いた頃には頭が半分だけ回復できました。戸愚呂(兄)は自分をこのような目に合わせた元凶である幽助たちへの復讐を誓います。そこで、戸愚呂(兄…

「風ノ旅ビト」をクリアしました

安売りをしていたからという雑な理由で買った「風ノ旅ビト」をクリアしたんですが、めっちゃ良かったです。PS4版です。 pic.twitter.com/6bzJQSf21C— ピエール手塚 (@oskdgkmgkkk) 2016, 1月 17 このゲームはプレイヤーが操作するキャラが、ある場所を目指す…

「最終兵器彼女」を久しぶりに読み返した関連

はじめに 最終兵器彼女を読み返しました。十何年ぶりだと思うので、細部を忘れていた部分も多く、たぶんまとめて一気に読み返したのは初めてなんじゃないかと思うので、連載と完結後に単行本で読んだときとは色々違うことを思ったような気もします。しかし、…

著作権切れの本で面白かった奴10冊+おまけ1冊

はじめに 年始から今年は江戸川乱歩や谷崎潤一郎の著作権が切れたの切れてないのという話がありますが、正直その辺に関しては個人的には割とどうでもいいと思っています。なぜならそんなに有名な人たちの本は今でも本屋で普通に手に入るからです(しかし、青…