数日前になんとなくした思い出話がうっかり軽くバズってびっくりしてしまいましたが、ほとぼりも冷めたようなので、安心してもうちょっと細かい話を書きます。
学生のときに、ジョジョの奇妙な麻雀という、一局始まる前にタロットカードを引いて、暗示されたスタンド能力を一回使っていいという特殊ルール麻雀をやってましたが、スターフィンガー!!って言いながら、盤面の好きなところからツモるやつ、自分がやっても他の人がやっても、毎回笑ってしまってた。
— ピエール手塚 (@oskdgkmgkkk) 2017年10月10日
ジョジョの奇妙な麻雀というのは、学生の頃にたまにやっていた特殊なルールの麻雀です。一局始まる前にタロットカードを引き、そこに暗示されているスタンド能力を1回使うことができます。念のため書いておくと、スタンド能力とはジョジョの奇妙な冒険に登場する超能力のようなものですが、ここから先に書くことはジョジョの奇妙な冒険の第三部を読んでいないと意味が理解できないことが多々あると思います(免責)。
ルールは本当に単純に「一局始まる前にタロットカードを引いてスタンドを決める」と「スタンド能力と称したものを1回だけ使っていい」だけです。そして、各スタンド能力をどのように解釈して使うかは使用者の自由です。ただし、使い方に対しては場にいる人たちの合意を得る必要があり、あまりにも理解しがたい使い方をしようとするとチョンボ(罰符8000点)扱いになります。
能力の使用前にどように使うか確認すればチョンボにならずに却下されるので安全ですが、いきなりやった方が笑えることも多々あるので難しいところです。
このゲームの基本原則は「楽しいこと」です。楽しければ他はだいたいよいということをモットーにしているので、仮にめちゃくちゃな解釈をした使い方だとしても、面白いからオッケーとなったり、場合によっては適当な理由でダメになったりもします。
そこにあるのはコミュニケーションで、勝ち負けよりも、どれだけ笑いながら遊び続けられるかが重要とされていました。この遊びに限らず、学生時分はどれだけ面白いかが最重要だったので、他のこと(例えば勝ち負けとか)は二の次三の次という感じでしたね。なので、各スタンド能力の使い方については厳密にルールで規定せず、その場その場にいる人の中でアリかナシかを都度判定しながら遊びました。
また、このゲームをやるときに最低限必要な条件があります。それは、参加者全員がジョジョの奇妙な冒険が好きだということです。でなければ、楽しくはならないような気がします。あと、麻雀卓の近くにジョジョの単行本(ルールブック)が全巻あるとよいです。
さて、僕がすごく好きだったスタンド能力は、最初のツイートにもあったように、「星」のカード、空条承太郎の「スタープラチナ」です。この能力では「スターフィンガー!!」と言いながら、盤面の好きなところから牌を引いてくるものが流行りました。
これはある先輩がやり始めたやつで、僕らもやっていましたが、勢いがある無茶苦茶な動作かつ、解釈もめちゃくちゃなので、毎回笑ってしまいました。文字で読むだけだとあんまりかもしれませんが、実際に仲の良い友達とやってみたらいいと思います。僕はめっちゃ面白かったです。
他に分かりやすく使えるのは「世界」のカードです。ディオの「ザ・ワールド」の能力によって時を止めることができます。この能力を使うときには、「今から時間を9秒止めます」などと宣言したりするのですが、場合によっては「まだ、君とジョナサンの肉体がそんなになじんでいるとは思えないからダメ」という主観的な言いがかりがついて5秒に短縮されたりしました。
このように何秒止められるかはその場で適当に決められますが、この止まった時間の中では、相手の手牌を見たり、自分の手牌をすり変えたりできるようになります。強いです。でも、数秒レベルの時止めだと、できることはせいぜいひとつかふたつぐらいでしょう。
なお、相手の手牌を確認したいときは例えば「隠者」のカード、ハーミットパープルを使うことで、相手の手牌を携帯のカメラで撮ったりすることの方が確実性が高かったです。
スタンド能力には、麻雀の中で使いやすいものもあれば、使いにくいものもあります。それらをどのように麻雀に有利になるかを解釈して使うかに、ジョジョの奇妙な麻雀の一番楽しいところだと思います。
ある人は「戦車」のカードを引いたことで、ポルナレフの「シルバーチャリオッツ」が使えることになり、椅子で反り返って「ブラボー!おお…ブラボー!!」と漫画の再現をしたということがありました。麻雀的には全く意味がありませんでしたが、面白かったのでアリとし、その人はその局でのスタンド能力を使用済みとして失ってしまいました。
「法皇」のカード、ハイエロファントグリーンは使い勝手がよかったおぼえがあります。エメラルドスプラッシュと言えば、牌を色んなところに動かすことができるので、捨て牌を他家の河に流したり、次のツモ牌として送り込んだりすることが認められてたと思います。ただ、目の前の山をエメラルドスプラッシュと言いながらぐちゃぐちゃにして流局にしようとしたやつはチョンボになりました(楽しくないので)。
麻雀として使いにくいスタンド能力も色々あります。しかし、それこそ、どのように使うかが試されるので、チャンスかもしれません。
この遊びを実際にやってみる場合は、その場その場で自由に発想した方が面白いと思っていますが(使い方を提案して、協議されることも遊びの一部なので)、参考までに各カードをどのように使ったことがあるかを列挙しておきます。なお、使われ方をおぼえていないカードもいくつかあったので、今適当に足したりもしました。
■愚者(ザ・フール)
・ロンをされたときに牌を空を飛ばせて回避、手牌に戻す
・砂の鎧に身を隠し、手を1回飛ばす
■魔術師(マジシャンズレッド)
・「モハメド・アブドゥル」と呼ばれると「Yes, I am」と答えてよい(麻雀的に意味なし)
・探知機の能力で、ダマテンを自己申告させることができる(無申告であがるとチョンボ)
■女教皇(ハイプリエステス)
・変身能力で、白をオールマイティ牌扱いする
■女帝(エンプレス)
・食欲旺盛で、下家や対面からでもチーできる
■皇帝(エンペラー)
・ポルナレフの鼻の穴に指を突っ込むと1飜アップ
■教皇(ハイエロファントグリーン)
・エメラルドスプラッシュと言いながら自分の捨て牌を他人の河などに置く
・「きさまこのゲームやりこんでいるなッ」にうっかり「答える必要はない」と返事をすると、タロット使用権を失う
■恋人(ラバーズ)
・自分が切った牌と同じ牌を残りの3人に切らせる
■戦車(シルバーチャリオッツ)
・反り返って「おお、ブラボー」と言う(麻雀的に意味なし)
・鎧を脱いで素早くなり、2回連続でツモれる
■正義(ジャスティス)
・他家を操作し、何番目の牌を切るかを指定できる
■隠者(ハーミットパープル)
・念写として携帯で相手の手牌や裏ドラなどの写真を撮れる
■運命の輪(ホウイールオブフォーチュン)
・四筒を自動車(四輪)に見立ててドラ扱い
・大車輪(ローカル役)を鳴きありでも成立とする
■力(ストレングス)
・雀卓そのものが自分のスタンドと主張し、席順を変更させる
■吊るされた男(ハングドマン)
・誰か一人に目を瞑らせ、盲牌でのツモと牌を切らせることができる
・鏡で他家の手牌を覗き込む
■死神(デスサーティーン)
・捨て牌を鳴かれたりロンされたとき、夢だったことにして、一回やり直せる
■節制(イエローテンパランス)
・捨て牌を鳴かれたりロンされたとき、別の牌に交換できる
■悪魔(エボニーデビル)
・恨みを力にすることで点数の順位によって飜数を上乗せできる(1位ならなにもなし)
・他を切り刻まれてもキンタマだけは傷つけられることがない(麻雀的に意味なし)
■塔(タワーオブグレー)
・舌を攻撃して、他家の鳴きを禁じることができる
■星(スタープラチナ)
・スターフィンガーと言いながら卓の上のどの牌でもとれる
・時間を止めたことにして好きなことができる(秒数は要相談最大5秒)
・場に法皇のカードを持つ人がいる場合、「花京院の魂をかける」と言いリーチ棒を出させることができる
■月(ダークブルームーン)
・「シブいねェ まったくおたくシブいぜ」と言う(麻雀的に意味なし)(でも言いたい)
・力を吸い取って特定の役を無効化できる
■太陽(ザ・サン)
・一筒を太陽に見立ててドラ扱い
・本体が鏡を利用して隠れていたことに見立て、捨て牌を伏せて出せる
・懐中電灯を他家に向けて煽る(麻雀的に意味なし)(人間関係的に問題のおそれ)
■審判(ジャッジメント)
・三つの願いを叶えてやることから、目の前の三人から当たり牌を聞き出せる
■世界(ザ・ワールド)
・時間を止めたことにして好きなことができる(秒数は要相談最大9秒)
・星あるいは隠者のカードを持つ人から鳴くと、ジョナサンの肉体が馴染んで1飜上がる
妥当っぽい使われ方も、むちゃくちゃな使われ方もしていると思います。楽しかった思い出の断片です。みなさんも、仲の良いジョジョ好きの友達と、楽しく遊んでみるといいかもしれませんね。