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【世界初】レジプラをデコる【たぶん】

 この前の土曜日、秋葉原で開催していた「技術書典」というイベントに行ってきたのですが、そこで、レジプラと言う機械を買いました。レジプラとは同人誌即売会などで会計管理をするためのレジソリューションです。iPhone用のレジアプリは既に色々ありますが、こちらの商品の特徴は、iPhoneと連携する物理ボタンを備えたハードウェアが存在することです(ちなみにAndroidへの対応も検討しているそうです)。

 以下はレジプラのプロトタイプを用いたプロモーション用の動画です。


即売会向けレジアプリ『レジプラ』

 

 このレジプラは、TOKYO FLIP-FLOPが作った機械です。メンバーのひとりの斎藤公輔さんとは、何年か前にインターネットで何となく知り合いました。斎藤さんはご自身が作る色んな面白い本に加えて、エアコン配管トレーディングカードや、定礎シール、定礎せんべいなど、一風変わったグッズを作ってはコミケ文学フリマなど出展しており、そういった場では、ひとつの商品を複数買いしてもらうことも多いそうです。そのような状況では計算や在庫管理が大変なので、まず自分の役に立つ機械を作ろうとしたのがこのレジプラを作るきっかけになっているそうです。

 ちなみに、斎藤さんは最近はデイリーポータルZでも、面白い記事をたくさん書いていますね。

portal.nifty.com

 

 本題と関係ないですが、スマホを買い替えたので定礎シールを背面に貼りました。レジプラの開発費は定礎シールの販売や、Web定礎、Web書道、Webおみくじなどのサービスの広告収入から捻出していると聞いているのでちょっと貢献してます。

 

 僕も近年、同人誌を作るという趣味を何となく始めており、年一回ぐらいのペースで何らかの即売会に参加しています。なので、自分でも使える機会はありそうかな?と思ったこともあり組み立てキットを買ってみました。5000円です(僕は技術書典限定の10%引きの4500円で買いましたが)。また、組み立て済み完成品は8000円とのことです。

 

 以下のサイトで通販で買えるはずです。

booth.pm

 

 レジプラの組み立ては、基板へのはんだづけと、ネジ止め、両面テープによる接着程度なので特に難しくはありません。はんだづけは人類は一度はやってみたことがあるでしょうし、はんだごては一般的にご家庭に一本はあるものだと思いますが、もし万が一、家にはんだごてがなく、はんだづけもしたことがないなら、組み立て済みの完成品の方を買った方がいいかもしれませんね。

 はんだづけのポイントはボタン5個×4箇所、逆流防止用ダイオード1個×2箇所、電源スイッチ1個×5箇所、電源ケーブル2本×1箇所の計29箇所です。ネジ止めは基板の4隅に足を止め、足の裏を両面テープで箱の底の貼りつければもう完成です。のんびりやっても1時間もかかりません。

 作るのはさほど難しくはありませんが、組み立てキットと完成品でそこそこ価格差があります。こちらの商品、現段階ではTOKYO FLIP-FLOPのメンバーが家内制手工業で作っているそうなので、組み立て済みの方に注文が偏ると今の体制では生産しきれないとのことで、キットの方を優先させたいという意味で、現時点ではこの価格としているそうです。

 

 レジプラの物理ボタンとiPhoneとの間の接続はBluetooth LEなので(koshianという技適認証済みモジュールを使っているそうです)、iPhoneBluetooth機能を有効にし、基板に書かれた認証用のシリアルをアプリに入力すれば、アプリ画面上の接続のボタンを押すだけで連携完了します。動作確認用LEDなどが特にないので、繋がってみるまで本当に動いているのかどきどきしましたが、大丈夫、ちゃんと動きました。

 以下が、僕が組み立てて起動してみたときの動画です。

 

 アプリはまだまだ今後も拡張されていきそうですが、もうAppStoreには登録されていて、ダウンロードして使うことができます。

 画面上に3つまでの商品を登録し、それぞれが物理ボタンに対応します。画面をフリックして切り替えれば、また別の3種類の商品を登録可能です。何時に何が何個売れたかの情報が残せるので、それを元に売り方を検討したりできます。Twitter連携の機能もあるようなので、今後のバージョンアップで簡単に在庫状況をつぶやけたりするようになるかもしれませんね。

 

 別に物理ボタンではなく、iPhoneのタッチパネルをタップするのでもいいじゃないか?という意見もあるでしょうが、ある商品を3個分タップしてOKボタンを押すみたいな操作をするとき、タッチパネルと物理ボタンの場合では、物理ボタンの方が操作におけるストレスが少ないように感じます。なぜなら、タッチパネルはどこでも押せるせいで、むしろどこを押さなければいけないかというところに気を遣ったり、クリック感がないため、操作の確実性を確認するのに気を遣ったりするからです。これらは少しの差異ですが、積もり積もるとかなり違う、というような印象です。

 

 さて、ここからが本題です。このレジプラの見た目の特徴的なところは、外観に桐箱を使っているところでしょう。桐箱が採用されたのは、金型を起こしたり、3Dプリンタで出力するのと比べ、安価に安定した品質のものが手に入り、加工がしやすいからということでの選択だと思います。

 ただし、これは結構ナイスな選択なのではないかと思っていて、なぜかというと、非常にシンプルな木箱なので、僕もこの箱をさらに気軽に加工してみようという気持ちになるからです。ということで、色を塗ったり金具をつけたりしてデコプラ(レジプラをデコることを意味する造語)をしてみました。

 

 そして、今のところの外観がこんな感じです。

 

 家に和のテイストのアクリルガッシュがあったので、ボタンの白と対比させるようにおめでたい赤で塗装し、ロゴや文字の部分は金色で塗りました(木の素材感を残したかったので下塗りはしていません)。側面は上面を目立たせるために黒で落ち着いた感じにしています。そして、四隅に真鍮の金具をつけてみました。ぶっちゃけたところ、この金具を付けることで持ち運び時に周囲の何かを傷つける可能性が出てきてしまい、実用性は皆無なのですが、東急ハンズでこの金具を見つけたときに、うわ!これをつけたらカッコいいのでは??って思ったので、つけてしまいました。

 

 レジプラ自体を所有している人が今世界に何十人もいないので、このようにデコプラしているのは現時点では世界でまだ僕だけなのではないでしょうか??

 

 即売会でレジとして使うという本来の使い方をまだ一度もしていないわけですが、今ちょっとなんとなく漫画を描いているので、それで本を作ろうと思っていて、8月開催のコミティアにとりあえず申し込むだけ申し込んでいるので、無事出られるようなら、そこがまずこのレジプラの出番です。

 7月中にアプリのアップデートを予定しているそうなので、より便利に使えたらいいなあと思っています。ということで、みなさんもレジプラを手にすることがあれば、デコってみましょう。

 Let's デコプラ!!

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 あと、以下の本にレジプラを作ろうと思ってから、実現方法の検討やプロトタイピング、量産に至るまでの過程が書いてあって面白かったのでオススメです。

booth.pm