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漫画皇国

Yes!!漫画皇国!!!

北海道脱獄囚系物語 featuring 熊

 北海道を舞台に脱獄囚が出てきて、熊と戦ったりする物語というと、何を思い浮かべますでしょうか?今だったら「ゴールデンカムイ」でしょうか?でも、それらの要素を満たした物語は他にもあるのです。

 

ゴールデンカムイ

 ゴールデンカムイは、北海道を舞台にアイヌの隠した金塊を求めて、日露戦争ので活躍した元軍人である杉元やアイヌの少女アシリパさんが、宝の隠し場所を入れ墨した脱獄囚たちを追ったり、警察やら第七師団やら新撰組の残党やらに追われたり、その途中で熊と戦ったり、熊を食べたり、他の色んな動物をアイヌの食べ方で食べたりする感じの大変面白い漫画です。

 ヤングジャンプで連載中で、先月2巻が出ました。

 

王道の狗

 一方、「王道の狗」という漫画もあります。こちらは、北海道の監獄に収監され、石狩道路建設のための懲役労務に従事していた加納と風間の二人が脱獄するところから物語が始まります。その逃走の最中に、熊と出くわしたり、アイヌの男ニシテに助けられたりするのです。秩父事件・大阪事件に関わっていた加納と、新潟天誅党の一員であった風間は、抗いがたい時代の流れと、その中での一個人としての力の脆弱さに嘆き、それぞれが「王道」と「覇道」という異なる思想の元に明治の日本という激動の時代の中を渡り歩いて行ったりするのです。

 最初の講談社版と、描き足しのある白泉社版がありましたが、去年末に中央公論新社から文庫版全4巻が出ました。

 

銀の匙 特別番外編

 そして、北海道の農業高校を舞台にした漫画、「銀の匙」の主人公である八軒くんのご先祖を取り扱った番外編です。時は日清戦争の時代、脱獄囚のハチ(男性)が熊に襲われているところを、八軒トク(女性)と、アイヌのペクシに助けられます。ハチは相馬の小作人のせがれでしたが、地主に理不尽を訴えたところ、あることないこと罪状を増やされ樺戸監獄署に。そこでの強制労働に堪え兼ねて脱獄をしたのでした。八軒トクは元会津士族、明治維新後に土地を奪われ、北海道で屯田兵をしています。ペクシは和人の父とアイヌの母を持っていて、アイヌの集団からはじき出されたものの、アイヌの魂を持ち続けるためにアイヌの服装をし、和人の中で暮らしています。それぞれがそれぞれ色んなものを奪われて生きてきましたが、北海道という土地で新しい生活を手に入れるのです。

 この漫画は東北復興支援プロジェクトである「ヒーローズカムバック」という企画の中で描かれた漫画で、他にも多くの漫画家が寄稿しています。

 

龍が如く

 さらに、「龍が如く5」というゲームがあります。このゲームの第二章は、ヤクザの冴島という男が、自分の人生を再スタートするために懲役三年の実刑を受け、網走刑務所に収監されるところから始まります。しかしながら、そんな冴島の命を狙って、網走刑務所には刺客が送り込まれ、なんやかんやあったあげくに同じく収監されていた馬場ちゃんと2人で脱獄することになるのです。スノーモービルで網走刑務所を脱出する途中、2人は巨大な熊ヤマオロシと出会います。命からがらヤマオロシを撃退した二人はマタギの男に助けられるのですが、そのマタギの男にもヤマオロシと因縁があり、冴島はマタギの集落に滞在して、ヤマオロシを狩る手伝いをすることになるのでした。

 続編というか時代は巻戻るのですが、「龍が如く0」が今週出ます。

 

まとめ

 これらの物語は、別に似ていません。が、「北海道」「脱獄囚」「熊」という共通点があります。他の切り口も無数にあると思うのですが、僕がそれら3つの共通点があるな!!と思ってしまったので、今後もし、「北海道」「脱獄囚」「熊」という3つの要素を満たした他の物語が出てきたときに、僕は「北海道脱獄系物語 featuring 熊」に新しい1作が追加されたぞ!!!と思うことになると思います。

 これらの物語は、龍が如くを除いては明治を舞台にしているのが特徴的です。少し考えてみると、それはおそらく明治政府北海道開拓使を置き、屯田兵を送り込んだことから、和人とアイヌの文化干渉が強くなり、徐々にアイヌの伝統的な文化の衰退が始まるのがこの時期だからではないかと思います。つまり、和人とアイヌという摩擦を通じてアイヌ文化を描くのに適した時代ということです。また、北海道の開拓には囚人が参加させられていましたし、アイヌと言えば熊(キムンカムイ)がつきものです。そう考えると、「北海道」「脱獄囚」「熊」という要素は、あの時代のアイヌ周辺を描く上で、必然的に出て来るものなのかもしれませんね。

 

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 以上です。