読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

漫画皇国

Yes!!漫画皇国!!!

コンビニ本におけるタイトルの変更について

コンビニ本とは

 主にコンビニに置かれている、分厚い廉価版コミックのことをコンビニ本と呼んでいるのですが、僕はあれが割と好きなのでよく買っています。

 何が好きかというと、

(1)コンビニごとに品揃えが様々なので、うっかりコンビニに入ったときに思いもよらない本があって、懐かしいとか嬉しくなってしまったりして買ってしまう

(2)あまり保存して手元に置いておく感じでもなかったりするので、自分が読み終わったあと人にあげやすく、気軽に直接的に薦めるのに使える

(3)値段の割に分厚く、お買い得感があり、キリのよいところ(○○編など)まで収録されていて、読後に満足感が高い

(4)おまけページが意外と充実していたりする(拳児松田隆智インタビューや、人魚シリーズの高橋留美子インタビューなど、他にも沢山)

 といったあたりが理由であるように思います。

 また、あまり量が売れることが見込めず、ちゃんとした単行本では出しにくい漫画も、コンビニ本であれば出せるということもあり「69デナシ」や「ナグモ」なんかは、おかげさまでなんとか紙で手元に置くことができるようになって良かったということもありました。

 あと最近では、読みたかった「男の星座」がコンビニ本で復刊してくれてよかったです。ちょっと前では、とみ新蔵の漫画も沢山読めてよかったですね。そういえば連載半ばだった「モンキーピープル」がコンビニ本で完結すると、以前どこかで読んだ気がするものの完結したのでしょうか?コンビニ本には、生活圏内に配本があるかどうかもあやふやなので、この辺が見落とす可能性が高いというデメリットもあります。

 

コンビニ本におけるタイトルの変更事例

 で、本題なのですが、これらのコンビニ本が出されるとき、様々な理由から、元のタイトルから変更される場合があります。今回は、それについて書こうと思ったのでした。ざっと思いついたのは以下の5パターンです。

 

(1)初見に分かりやすく

 前述の「ナグモ」は正式には「博打流雲 ナグモ」というタイトルだったのですが、コンビニ本では「麻雀博打島サバイバルバトル ナグモ」と変更されています。ナグモは、博打が法であるような、ある孤島を舞台にした漫画なので、コンビニ版の方がより直接的に意味が分かるものとなっています。

 他に、「きららの仕事」は「きららの鮨」に、「-GJ-ゴッドジョブ」は「叶精作セレクション 天才整形外科医 神技一郎」に、「アームドアーム」は「握力1トンの執行人」に変更されています。

 これらの漫画における変更の理由を考えてみると、タイトルでは何の漫画か分からないという問題があるからだと思いました。コンビニ本は面出し陳列されることが少ないため、棚差しした背表紙だけが見えることになりますから、人が一番目につく場所は表紙の絵ではなく、背表紙に印字されるタイトルということになります。つまり、それを見ただけで手に取ってもらうためには、タイトルだけで何の漫画であるかを理解してもらう必要があるということです。

 通常の、連載から単行本になる場合では、雑誌で内容を知っている人が単行本を買うことになったり、どこかで紹介された場合にはタイトルを知っているはずですから、問題にならないものの、コンビニ本のように一期一会のような機会を想定されている本については、そこに正当性があるような気がします。

 そう考えてみると、そもそも漫画のタイトルというものは、それを不動産的に考えてみると、大変価値が高いもので、例えば発売リストのようなものでは、「作者の名前」と「タイトル」だけが表示されますから、宣伝広告のためにはそこにできるだけの情報を詰め込んだ方がお得という考え方があると思います。その価値がある場所に、好きな言葉を入れる自由もある一方、それだけで内容をある程度理解してもらえる宣伝広告的な言葉を入れることもでき、それがコンビニ本で見られる方針なのではないかと思いました。また、これを推し進めていくと、ライトノベルや新書に見られる文章的なタイトルの本になるように思います。

 

(2)便乗商法

 昔、かわぐちかいじの「COCORO」のコンビニ本が出たとき「ダ・ヴィンチvsかわぐちかいじ」というタイトルがついていました。なぜならば、そのとき「ダ・ヴィンチ・コード」の映画が公開になっていたからだと思います。どうでもいい話ですが、当時の僕のメモに、「日本沈没」に便乗して「王様はロバ」も「日本ちょっとだけ沈没」(そういうエピソードがあるんです)というタイトルにすればいいのでは??と書いてありました。

 このへん「おっ!雑だな」って感じがしましたが、最近の感じでは漫画を原作にした映画やドラマが公開されるときには、合わせてコンビニ本が出るケースが多いため、タイトルを合わせたり、表紙に実写の画像を使ったりケースはよくありますし、それについては、探しやすさの上で正当性があるように思います。そういえば「永遠の0」に合わせて、零戦漫画特集の本も出ていたような記憶もありますね。

 

(3)まとめ系

 複数の作品を出している漫画家の漫画を何話かずつまとめて一冊の本にしているシリーズがあります。主に小学館と認識していて、「毎月あだち充」「今月から俺は」とかです。この毎月あたち充、「あだち充が充実している」という意味の「あだち充」とかかっていると疑っていますがそうなんでしょうか?

 ちなみに、ヒラマツミノルの「毎月父さん」という漫画がありますが、こちらは「毎日かあさん」とかかっている月イチ連載の漫画で、コンビニ本とは関係ありません。

 

(4)サブタイトル強調

 一話完結の漫画の場合、連載順ではなく、なんらかのルールに基づいてお話をピックアップしたセレクションにできたりしやすいのも、コンビニ本の利点ではないかと思います。最近では、「浮浪雲 俺もアイツも死ねばいいのに!篇」という強烈なサブタイトルが、本タイトルよりも大きく表紙に印刷されていて、内容もそんな感じなので分かりやすいなあと思いました。

 変なサブタイトルだと「蟲師 アニメ放送順セレクション 宴編/棘編」というのもあったと思います(今調べたらありました)。

 

(5)アフロ田中

 「コンビニアフロ田中」になっていました。本作は「高校アフロ田中」「中退アフロ田中」「上京アフロ田中」「さすらいアフロ田中」とタイトルが変遷してきたのですが、行きつく所がここだったようです。

 

まとめ

 他にも色んなケースがあるかもしれませんが、ざっと思いついたのはこんなところです。場所が変われば正解も変わりますし、商売で本を出しているならタイトルとかを柔軟に変えるのも正しいような気もします。

 僕が思うに、多くの漫画は中身を読まれて良し悪しを判断される以前に、手に取られないという選択で読まれもせずに終わっていたりするので、こういった手段を講じてみたり、低価格と立ち読みもできたりするみたいな手軽さから、新規読者に対するよい感じの導線になったりしないかなと思ったりします。ただ、いざ何かの漫画をコンビニ本で出ているらしいから欲しい!と思ったときに、近所のコンビニになく他の色んなコンビニを探し回るはめになったり、あげくAmazonで注文するということになったりもして、課題も色々あるような気もしました。

 コンビニ本、あまり読んだことのない皆さんも、コンビニに入ったときには棚を眺めて手に取ってみると楽しいことも多いんじゃないかと思います。