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「SLAM DUNK」のスラムダンクについて

 漫画のタイトルというものは、意味が分かるものも分からないものも、最後の方でようやく分かるものなんていうのも色々あります。

 「ドラゴンボール」なんかは分かりやすい。ドラゴンボールという重要な道具が出てきて、それを巡ったりしながらお話が進みます。

 「ディスコミュニケーション」なんかは作者も明確な意味がなくつけたみたいなことを書いていました。

 「羊のうた」なんかは、この漫画はなぜ「羊のうた」というタイトルなのか全然分からずに読み進めるわけなのですが、最後の方の台詞で、ああそういうことかということが分かります。他には「頭文字D」も、Dが一体何なのかという意味は最終回まで分かりません。

 そういえば、「イエスタデイをうたって」もRCサクセションの曲からとっているのは分かるのですが、なぜその曲をタイトルに使っているのか分かっていませんし、僕はいつ誰がイエスタデイをうたうのだろうかと思いながらまだ読んでいて、それは最終回付近でわかるのかもしれませんし、わからないのかもしれません。

 

 さて、本題なのですが、「SLAM DUNK」はタイトルがスラムダンクという、ゴールにボールを激しく叩き付けるようなダンクシュートからとっているわけなのですが、なんと作中で主人公の桜木花道がダンクを決めるシーンはとても少ないです(それがスラムダンクかどうかも僕にはよく分かりません)。しかも、物語の最後の最後で試合を決める際に、花道が打ったシュートはジャンプシュートなのでした。それは、バスケットボールに興味もなにもなかった初心者桜木花道が、一人前のバスケットマンに成長したことを示すとてもとても感動的なシーンなのですが、スラムダンクの立場はどうなるのでしょうか??

 かつて、「ファミコン通信」が「ファミ通」になったときにリストラされてしまった「コン」と「信」の末路を思ったときのように悲しみを感じてしまいます。ちなみに一方「カプセルコンピュータ」が「カプコン」になった際に前線から離脱した「セル」と「ピュータ」は、「セルピュータ」というカプコンの音楽レーベルとして余生を過ごしています。

 

 活躍の場が少なく、さらには僕の個人的な調べによると、スラム街のスラム(SLUM)と意味が勘違いされていることも非常に多いスラムダンクSLAM DUNK)のことを思うと涙が止まらない気持ちになってしまいます。タイトルという一番良い席を与えられたにもかかわらず、庶民シュート(レイアップシュートのこと)よりも頻度が低いスラムダンクは、出番がなかなか来ず待ちくたびれたと漏らした海南高校の神さんよりも悲しい。

 「魔術師^2(マジシャンスクエア)」という漫画では、タイトルが匂わす感じに4人の魔術師が活躍するはずだったのですが、2巻で打ち切られたために最終回でようやくギリギリ4人目が登場みたいな感じで、これもこれで悲しかったのですが、それでも最終回にはタイトルの通りになったのでした。スラムダンクはそれすらないのでした。

 

 なので、みんなもっとスラムダンクの気持ちを考えてあげてもよかろうもんと思っていたのですが、先日、今までちゃんと見たことのなかったアニメの「SLAM DUNK」を見ていたら、アニメの最終回は原作とは違い、インターハイに行く前に終わっており、最後の試合は、神奈川県の強豪を集めたチームとの試合というオリジナルの展開となっていたのでした。そして!なんとその試合では花道がスラムダンクを決めて勝って終わるのです!!本放送時、アニメはたまにちょっと見ていたぐらいだったのですが、このアニメスタッフが、スラムダンクのことを思いやったエンディングを作っていたことを知っていたく感動してしまいました。

 

 ということで、スラムダンクの扱いについて悲しい思いをしていた人たちは、是非ともアニメのスラムダンクを見ると良いと思います。