漫画皇国

Yes!!漫画皇国!!!

キャラクターの生き死に

 漫画のキャラクターが死んだり、実は生きていたりするのって結構さじ加減が難しい感じがします。

 

 多分最初はそうじゃなかったんだと思うんですけど、人間は繰り返されるものについてパターンを見出してしまうので、色んな漫画を読んできた結果、若干面倒くさいことになっているような気がしてなりません(僕だけかもしれません)。

 

 「死んだはずのキャラクターが実は生きていた」というパターンは枚挙にいとまがありません。でも、これをやられてしまうと困るのは、次にキャラの誰かが死んだときに読者の中に「また、実は生きているのでは??」という疑念が生まれてしまうことになると思います。で、実際生きているという「魁!男塾」とか、もうなんで生きているのかも説明不要な感じの「ザ・松田」なんかであれば「やっぱり」で済むんですけど、問題は実際に死んでしまっていて生き返らないときです。

 

(以下、色々な漫画のキャラの生死に関するネタバレがあります)

 

 代表的なもので言えば、漫画じゃないんですけど「FF7」のエアリスなんかは、僕はきっと生き返るものだと思ってプレイをしていて、なんせ、その後にエアリスの最強の武器なんかが手に入ったものですから、こいつはきっと生き返るんだ!!なんて思い込んでいたので、本当に死んだままでクリアしてしまったときに、ぽかんとしてしまいました。本来、喪に服すべきときに喪に服さなかったので、その気持ちのもっていきどころがなく、もやもやっとしてしまったのです。「FF6」なんかでは、シドやシャドウを生存させるルートがあったので、実は何かすると生き返るのでは??なんて気持ちも捨てきれず、なんだか変な感じでした。なので、エアリスの生死を巡る物語にちゃんと没入できたのは、二回目のプレイのときにようやくであったように思います。

 

 漫画で言えば、「ロトの紋章」のルナフレアの死がショッキングでした。漫画の序盤に重要人物が、人が割と生き返りがちな世界観なのに、しかも、一緒に怪我をしたキャラは助かったのに、死んでしまったのですから。あれも、本当に生き返らないんだろうかという気持ちをしばらく持っていた気がします。

 

 逆のパターンで、最近では「空手小公子物語」がありました。この漫画は「空手小公子小日向海流」の主人公を変えた続編なのですが、旧主人公である小日向海流が再び続編で登場したときに、心がダークサイドに落ちて変貌してしまっています。その理由は、前作のヒロインが死亡してしまったからだと伝えられます。こいつは読者の僕としてもびっくりな話で、ええ!そんな不幸をぶっこんでくるのか!前作ではろくにいちゃいちゃもさせてあげられてなかった不遇のヒロインなのに!なんて思ってしまい、非常にショッキングであったのですが、物語を盛り上げるためには、そういうこともあるのかと受け入れた感じでした。

 

が、しかし、死亡したというのは伝言ゲームのミスであり、実は全然生きているというのがその後しばらくして発覚します。ギャグ調でです。ここで困ったのは、僕の心は既に喪に服して整理がついてしまっていたので、今さら生きていると言われてもなあというもやもやとした気持ちが残りました。これは、単行本で読めばすぐにネタばらしがあるギャグなのですが、いかんせん真面目に受け取ってしまったので、うっそーんという気持ちがしばらく拭えませんでした。

 

 そういう意味で言えば、「るろうに剣心」における、ヒロイン死亡というショッキングなシーンに対して、作者コメントで生存を匂わすフォローがあったのは、そういうのを避けるための緩衝剤として良かったのではないかと今になっては思います。

 

 最近もある漫画で(まだその部分が単行本化もしていないと思うのでぼかしますが)、ショッキングな死に方をした人がいるのですが、それはその話のラストで実は生きているということが明示されます。僕の感覚では、そこで即ネタばらしがあったのは親切で良い感じがしました。なぜなら、そのショッキングな死にざまの嫌な感じを長々と引きずらずに済んだからです。

 

 これはテレビのドッキリ番組と似ているような気がします。あれは、騙してすぐにネタばらしがあるから成立するもので、もし、騙したあと数か月経ってから「あれ、実はドッキリだよ」と伝えられても、騙された人も困るんじゃないかと思うからです。

 

 現実の世の中では、死んだ人が生き返ることはあまりありません(行方不明者が実は生きていたとかはあるかもですが)。なので、死は死として受け入れることについては、そういった困惑することはないと思うのですが、いかんせん、漫画の中では「実は生きていた」というのが乱発されるために、喪に服していいのかどうなのかが分からなくなってしまって微妙な気持ちになってしまうことがあると思います。

 

 ちなみに今日もまた一つそういう気持ちになる漫画があったのですが、実際どうなのかがまだはっきりしないために、今非常にもやもやとした気持ちでいます。

 

 いっそ、「こいつはマジで生き返ることなし」ということを明示するマークでも作られて、キャラが死んだときには表示されると良いのかもしれないなと思ったりしましたが、でもそうなるとそのマークがない場合に、実は生きているんだなあということが分かってしまいそうですね。

 

どうすればいいんでしょう??