漫画皇国

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正解を知っている人は正解を選ばない人を見ていられない話

 高校生ぐらいのときに、当時小学校低学年だった妹がドラクエをやりたいと言うので、スーパーファミコンドラクエ5をひっぱり出してきたことがあります。そこで感じたのは、僕の中の強烈なアドバイス欲求でした。なにしろ、妹ときたらRPGをプレイするのは初めてだったので、沢山の間違いをしたり、見落としをしたりするわけなのです。「そこのタンスを調べたらやくそうがあるよ」みたいな細かいことから、次にどこに行って何すればいいのかという大筋の話まで、妹はなかなか正解に辿りつきません。僕は知っているので、教えてあげればすぐに解決します。そして、なかなか正解に辿り着かない妹に、こうすればいけると都度指示をだしてしまいたくなってしまいました。でも、それは逐一指示した内容を妹にやらせるだけになってしまうので、よくないなあと思ったので、僕は後ろで見るのをやめてそっと席を外したのでした。

 

 数日後にはちゃんと正解に辿り着き、自分でもくもくとプレイする妹の姿がありました。

 

 なんというか、自分が正解を知っていると思っているものについて、人間は(少なくとも僕は)他人が間違っているという状態を見守ることがとても難しいのだと思います。けれど、その自分が知っている正解をそのまま相手にやらせるということはあまりよくないんじゃないかと思った経験が多くて、多分、妹も僕が逐一攻略方法を教えていたらドラクエ5を途中でやめていたんじゃないかとか思ったりするのです。それは、逆の立場で見てみれば非常にウザいだろうと自分で感じるからです。そして、もしかするとそれは、その人が辿り着くはずであった僕が知っている以外の正解への道を潰してしまっている可能性もあるように思うのです。

 

 なので、見ていられないのであれば、あえて見ないでおくという見守り方もあるよなあと思ったりしました。