漫画皇国

Yes!!漫画皇国!!!

電子書籍で漫画雑誌を買いはじめてから何年か経ちました

 日常的に漫画雑誌を電子書籍で買いはじめてから多分2年半ぐらいが経ちます。アフタヌーンの電子版が配信され始めたときあたりから、雑誌は徐々に電子版で買うことが増えました。それによって色々感覚が変わったところがあるので、それについて書きます。

 

 僕は月に漫画雑誌を80冊ぐらい読んでいる(週刊漫画雑誌は複数回カウントしてます)のですが、漫画喫茶で読んだり立ち読みも全然するので、買っているのは大体30から40冊ぐらいです。買ったり買わなかったりしています。1日2冊までというルールにしていて、休日は漫画喫茶に行ったりするので、だいたい毎月これぐらいだと思います。その一部が電子雑誌になっています。でも、まだ電子で買っているのは5冊から10冊ぐらいです。

 

紙と電子の違い

 紙で買うのと電子で買うのはどう違うかというと、全然違いますが、どちらかが一方的に良いということはないです。長所短所があります。

 単純に読むということを考えるなら紙の方がいいです。大きいし、読みやすいし、手触りや匂いや温かみがあります(実際あります)。何より重要なのは、他人と回し読みできたりするところです。知り合いが集まるところに置いておけば、僕が買った雑誌を誰かが読みます。僕も誰かが買ってきた雑誌を読みます。これはとてもいいことだと僕は思うのですが、電子書籍にはこれがないか、あっても非常に限定的なので、実用的に使うことは現時点では難しいです。

 平日は週刊漫画雑誌を紙で買って、仕事場の人とシェアしたりしているんですが、そうでなければ電子版でも変わりませんね。

 

 電子版のメリットには、いつでも買えることと、ゴミが出ないことがあります。

 ゴミが出ないのは重要で、大量の雑誌を縛って捨てるのも億劫ですが、何よりの大敵は、捨てる前にもう一回読んでおこうと思ってしまう僕の心です。そして、その最期の一回をなかなか読まないので、どんどん雑誌が蓄積してきます。どこかのタイミングで腰を据えて読み直しては縛るということをするのですが、そこまではどんどんたまってしまっていました。

 これを避けるために、一回目でもういいやと思うまで読むという対策をしていたりもします。週刊漫画雑誌がそうで、仕事場への行き帰りで読み終わり、駅のごみ箱などに捨てて帰ります。雑誌を読む最良のタイミングは出た瞬間です。出た瞬間に読みさえすれば、捨てることは躊躇がありません。半端に持ってしまい、あとで読み返すかもしれないなどと思うから、いつまでも家にあるのです。

 こういったことが電子版ではほとんどありません。なぜなら、買ったものは全部ずっとスマホの中に入っているからです。機種変などをすると再ダウンロードする必要がありますが、それも読もうと思えばいつでも読めるので特に気になりません。

 本を裁断してスキャンするということが、一時流行りましたが、それはもしかすると読書術ではなく整理術なのではないか?と思っています。なぜなら、前述のように本を捨てるときの大敵は、「また読むかもしれない」とか「もう一回読んでから」という気持ちではないかと思うからです。手元にスキャンした画像を残すという方法で、その大敵を解消できれば、紙をなかなか捨てられなかった自分のような人も容易に捨てられるようになります。一方、電子版では、そういったストレスも無縁です。全部手元にあり続けます。

 今僕のスマホには128GBのmicroSDカードが挿さっているのですが、漫画一冊を50MBぐらいとすると、2500冊ぐらい持ち運べます。これだけあれば何年かは持ちますし、何年か後にはさらに大容量のストレージがあるでしょうから、原理的に無限では??という気持ちになります。

 

 電子版の問題としては、先ほどどこでも買えると書いたものの、電子雑誌は数百MBぐらいあるものもあり、スマホのモバイル回線で直接ダウンロードすると容量制限による問題が発生する可能性があります。以前は転送容量無制限のWiMAXを使って、気が狂ったかのように出先で百冊とかの漫画をダウンロードしたこともあったのですが、今では、WiMAXを解約してしまったので、原則Wi-Fiがある場所でしかダウンロードしていません。結局ダウンロードできる場所を限定して運用しているので少し不便になっています。これは、この先、容量制限が緩和されたりすると気にならなくなるのかもしれませんが、おそらく先の話なので、当面は不便と思いながら使うことになると思います。

 

 あと、紙の本が重たいという事実も見過ごせません。コンビニで大体手に入るとはいっても分厚い月刊少年マガジンなどを一日中持ち運ぶ気には最近とんとならないですし、それでも買ったときは、自分ルール的には2冊買っていいものの、運ぶのがしんどいので月刊少年マガジンのみにしてことが多いです(アホなことに、なぜか出かけに買ってしまったりします)。こんなときにも電子書籍なら重くないので楽で素晴らしいですね。

 

漫画雑誌と電子書籍の相性

 電子書籍と雑誌の相性は良いと思います。なぜなら、電子書籍は少なくとも今後しばらくは勝手にコピーされないためのDRMと無縁ではいられないと思うからです。それは、自分が買った本を永続的に所有できるかどうかが保証されていないということです。しかし、雑誌はもともと捨てていたので、仮にサービスの都合でもう読めなくなったとしても、もともとの状態に戻るだけですから、まあいいかという気持ちになります。とは言ったものの、雑誌を何年分も所有できるという便利さによって感覚が変わってきているので、いざそうなったら文句をいうかもしれませんが。

 

 ちなみに、僕はDRMがあること自体は、今現在しょうがないと思うので、しょうがないなと思っています。なぜなら、漫画のタイトルで検索すると、違法アップロードされた漫画のダウンロードURLが一番上にくるとかいうような状態続いていたことを憂いていたからです(今も一部ではまだまだそうでしょう)。この状況でコピー制限なしのものを売れという気持ちにはなれませんでした。カジュアルにコピーされまくると想像しうるからです。ただ、実際、権利関係の識者によると、電子配信されたもののDRMが外されて高画質の漫画が違法アップロードされているケースも増えているらしいので、いたちごっこだなと思います。

 もう何年かすれば、音楽のようにDRMフリーにするべきかどうかの議論が現実味を帯びるのかもしれませんが、それが漫画出版にとって良いかどうかはわかりません(音楽業界が苦しんでいるように)。

 

電子書籍で漫画雑誌を買って変わったこと

 新しい単行本が出て、買って読んだあと、その続きのまだ単行本化されていない分を電子版の雑誌で読み直すようになりました(雑誌が全部残っているので)。便利だなあと思うのですが、紙の単行本と電子の雑誌という棲み分けならともかく、ここで単行本の方も電子書籍で買っていた場合、不思議な気持ちになります。なぜなら、雑誌で持っている漫画は電子版をいつでも読み返せる状態で所有しており、それと同じ漫画が単行本でも電子版であるとなると、スマホの中に同じ漫画が二重にあることになるからです。

 なので、単行本を買わなくても雑誌を読み返せばいいのでは?という気持ちになり、描き足しやおまけページなどがないことには、単行本を買う理由がかなり消失してしまいます。利点と言えば、雑誌の該当ページを探すのが面倒なので、一気に読めると言うことぐらいですが、順番を並べ替えて読みやすくするのにお金を払っているのか…という気持ちになります。とはいえ買っているわけですが。

 これを考えると、雑誌に連載されている漫画は、ある雑誌に載っている漫画を一定種類以上買うとき、単行本を買わずに雑誌だけ所有する方が金銭的には安いと言えるでしょう。となれば、単行本で利益を上げるモデルの雑誌と単行本の関係性がおかしくなるかもしれません。

 

 棲み分けのひとつとしては、漫画雑誌と電子書籍の読み放題サービスの組み合わせです。僕はauのブックパスというサービスを利用しているのですが、例えばFEEL YOUNGコミックゼノンなどは、読み放題サービス内で読むことができます。これらの雑誌を買っていたことを考えると、月額600円ぐらいはすぐに元がとれてしまいます。さらには、一昔前の漫画やキャンペーンが中心ですが、全巻読める読み放題漫画も沢山あるので、浴びるように漫画を読みたい人間にとっては読み放題サービスはとても便利です。

 読み放題サービスにおける漫画雑誌は、ダウンロード期間が一定で区切られているため、しばらくすると追加料金なしでは読めなくなります。この読める期間の限定という方式が、雑誌と単行本の棲み分けということになるのかもしれません。

 

まとめ

 このように、紙の雑誌が好きは好きなままですが、利便性という意味で電子版に移行しつつあるというのが現状です。それは仕方ないなあと思いつつも、一部、問題も起こりつつあります。何かと言うと、今まである雑誌を継続的に入荷していた近所の本屋が、僕が買わないことも多くなった(とか、仕事場の近くで買うことも増えた)ことによって、いつのまにか一部の雑誌を入荷しなくなっていたりしたことに気づいたからです。

 多分、僕が買い続けていれば、「買う人がいるんだから」と入荷し続けてくれていたのではないか?と思うのですが、僕はそこで買えなくなると、隣駅の本屋まで行かないといけないので、よりいっそう電子版を買った方がいいのではないかという気持ちになってきています(特に仕事場に行かない土日に出る場合)。

 

 なんとなくの予想として、今噂されているAmazonの読み放題サービスなどが始まると、漫画雑誌の一部、特に一部の書店にしか置かれないような月刊漫画誌は、そちらにシフトしていくのではないか?と思っていて、なぜなら、既に読み放題サービスで漫画雑誌を読んでいる僕が便利!便利!!って思っているからです。そうなるとある程度雑誌と単行本、紙と電子の棲み分けが収まりよくなるので、良さそうなのですが、色んな要素を考慮していないので、そうなると思う!と言うよりは、そうなったら僕が便利なのになあと思うぐらいのことです。

 

 あと、僕は雑誌を買うと、一通りの漫画に目は通しますが、世の中の大勢は「目当ての漫画を2、3個読むと、もう読まない」という感じなんじゃないかと思うので、どんなに環境が変わってもみんなが雑誌を隅から隅まで一生懸命読むようなことはないだろうなと思っています。

 実は一番重要なのは、紙や電子、売り切りと読み放題のような環境の違いではなく、沢山の漫画を読む気になる人がどれぐらいいるかということなのかもしれません。

 ともかく、個人的にはどんどん便利になっているので良いですし、これからもっと便利になってくれ!!と思います(読むので)。